法定基準値を上回る”違法”電動アシスト自転車の事故がいま相次いでいる。中には都心部をヘルメットを着けずに、猛スピードを出しているケースも。国民生活センターや消費者庁、警察庁は今年に入りようやく警鐘を鳴らし始めている。違法な電動アシスト自転車の実態を追った。
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東京都港区六本木。ある日の夕方、ヘルメットを着けずに、30㎞以上の速度を出して走り去る男性がいた。男性が乗っていたのは、電動アシスト自転車の“形をしたもの”だった。
男性が赤信号で停止したとき、記者は男性に話しかけた。
――いま何に乗っていますか?
自転車だけど。
――ペダルをあまりこがずに早いスピードが出ているように見えた。違法では?
そうなの? だから?
「うるせえな!」と男性は叫び、速度を上げながら大通りを西の方へ消えていった。ペダルを2、3度こぐだけで、その乗り物はスピードを上げていった。
ナンバープレートの設置を
男性が乗っていたのは、〝違法〟電動アシスト自転車にあたる。日本で電動アシスト自転車は、道路交通法で最高速度が時速24キロメートルと定められており、最大出力も制限されている。例えば、時速10キロ未満の場合、アシスト力は人力の2倍以下としなければならない。
これらの基準を超えるものは、「ペダル付き原動機付き自転車」と定義され、原付バイクと同じように運転免許証の携帯のほか、ヘルメットの着用やナンバープレートの設置などが求められる。