陽射しがパワーを増してきました! 温暖化の影響で、日本の夏は年々過酷に・・・曇っていても、熱中症・紫外線対策が欠かせません。お嬢様の装いに貢献してきた「日傘」も、いまや年齢・性別を超えて夏の必需品です。ところで、日傘をさす男性にどんなイメージをもたれますか?

晴れてお天道さまの下を歩ける身
晴れてお天道さまの下を歩ける身
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女性を守ってくれる、頼もしいパートナー

「日傘を手放せない」という女性が増えています。
強い陽射しは美容の大敵。将来のシミを増やし、眩しさでつい眉間にシワが・・・なにより直射日光を浴び続けていると、ぐったり消耗しますよね。オゾン層破壊による紫外線の増加で、皮膚ガンなどの健康被害も深刻。真夏以外に日傘をさして歩いている人も、もう珍しくありません。
ヘアスタイルを乱すことなく、首・肩・腕までしっかりカバーしてくれる日傘は、女性にとって頼もしいパートナー。傘の中は2℃以上体感温度が低くなるともいわれ、真夏のおでかけにゆとりをくれます。
環境省が2011年におこなった調査によると、夏場の歩行時に上着を脱ぐことで約10%、日傘を併用すると約20%も熱ストレスが軽減するそうです(環境省『ヒートアイランド現象に対する適応策の効果と試算結果について』)。その報告では「男女問わず日傘を活用すること」が望ましいとされています。戸外では、とくに頭部を直射日光から守ることが大切なポイント。日傘は帽子のように蒸れる心配もなく、熱中症のリスクを下げるのにとても効果的なのです。
今は、レースやフリルの付いた従来のデザインよりも、スーツやパンツスタイルにも合わせやすいシンプルなものが主流のようです。UV機能や涼感も年々進化していて、持ち手や生地にもこだわりが。服によって持ち替えたり、夏ならではのおしゃれを楽しんでみてはいかがでしょう。

夏を戦う携帯シェルターとして、 男性にこそ

ほんの数年前までは、日傘をさしている男性をほとんど見かけませんでした。猛暑日が続いてじわじわと普及が進み、昨年は『パラソル男子』が話題に。ところが、「美白を意識」と紹介されがちなためか、「日傘なんかさしたら軟弱に思われるのでは」という心配から使用をためらっている男性が意外に多いらしいのです。
じつは、多くの女性は「直射日光は体に悪いから男の人も使えばいいのに。夫や息子にも持たせたい」とすら思っています。自分が使って良さを知っているからなんですね。
実際に「信号待ちのとき妻がさしかけてくれたら、あまりの涼しさに驚いた。いままで陽射しが痛いのをガマンして歩いていたのは何だったんだ」と、女性によって開眼された男性ユーザーが多くいらっしゃるようです。 男性の日傘に違和感をおぼえるのは、男性だけなのかもしれませんね。
毎朝ひげ剃りで肌を刺激し、UVクリームも塗らないまま日中外回りすることが多い男性は、日光によるダメージを女性より受けやすいともいえます。夏場の紫外線は頭部を直撃し、抜け毛や眼病の原因にも・・・男性にこそ「直射日光シェルター」が必要なのではないでしょうか。
ビジネスシーンに日傘を取り入れるのは、スーツに似合う帽子やサングラスを探すよりずっと簡単! 「営業焼け」や滝のような汗から解放されたら、訪問先の好感度もぐっとアップしそうです。それに、1日が終わるときの疲れかたが変わりますよ。

まずは雨傘感覚でトライ!
まずは雨傘感覚でトライ!

時代にマッチしたおしゃれで、颯爽と歩きたい

なんと雨傘も、かつては「男がさすものではない」アイテムだったそうです。
18世紀のイギリスで、ジョナス・ハンウェイさんが人々に嘲笑されながらも街で使用し続け、傘文化を根付かせたといわれます。やがて傘は、英国紳士のステイタス・シンボルにまでなりました。
文化は、時代とともに変化するもの。いま男性の日傘に違和感を感じる人にも「雨と同様、降り注ぐ陽射しから傘で身を守るのは当然」と認識される日は、そう遠くない気がします。
男性が仕事で持つなら、日没後や室内ではカバンにしまえるように折り畳み式でしょうか。晴雨両用ならカバンに入れっぱなしにもできて、便利かもしれません。メーカーの品揃えも充実しつつありますが、これからさらに男性が持ちやすいスマートなデザインが増えるといいですね。
明治時代の男性は『 絹紬(けんちゅう)』というシルクの日傘をさしていたといいます。一歩進んで、ちょっと渋めの日傘でダンディなおしゃれを楽しむのも素敵ですね。
『父の日』ももうすぐ。 梅雨明けに備えてプレゼントにいかがでしょうか。