「カフェインを入れたほうが売り上げは上がると言われています。依存性があると次も買いたくなるから」と松本医師は言う。さらに、お菓子類も要注意だ。

「カカオにはカフェインと同じキサンチン誘導体であるテオブロミンが多く含まれており、覚醒作用や強心作用、利尿作用があります。カカオが多く含まれている板チョコ1枚は、レギュラーコーヒー約1杯分に相当します」

 海外ではよりカフェイン含有量の高い商品が販売されているので、輸入品には注意しよう。このほか、「薬をコーヒーで飲む」「お酒のエナジードリンク割り」など、依存性のある成分同士を掛け合わせることで相互に依存性が強まり、やめられなくなることも多いそうだ。

自分の“カフェイン習慣”を見直そう

 取り過ぎには要注意だが、カフェインには当然メリットもある。ヨーロッパでコーヒーが日常に浸透したのは18世紀。産業革命の真っただ中、それまでは昼間から酒を飲んでいた労働者たちがカフェインを取ることで覚醒し、多発していた産業事故も激減したという。

  また、イギリスを中心に流行したコーヒーハウスは、情報交換の場として政治的にも経済的にも大きな役割を果たした。

「カフェインにより、ヨーロッパの急速な近代化が進んだとも言われています。現代人の皆さんも、リスクを減らしてうまく付き合うためにはどうすべきかを追求し、パフォーマンス向上に役立ててほしいと思います」(松本医師)

 カフェインの離脱症状として頭痛などが見られる人はゆっくり量を減らしていったほうがよいが、そうでなければ急に減らしたからといって禁断症状が出る可能性は低いという。まずは自分のカフェイン習慣を把握し、量や摂取するタイミングを調整することで気分や体調がどう変わるかを試してみるのがよさそうだ。

(文/酒井理恵)

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