松本医師は「一般的には、カフェインの摂取量が1日1000mgを超えると中毒症状が起きると言われている」と指摘。1000mgは、マグカップ1杯(250ml)当たりのカフェイン量を150mgとした場合、約6~7杯分に相当する。

 だが、実は摂取しても安全なカフェインの量は国際的に明確な基準が定まっているわけではなく、国により姿勢が異なる。

「WHO(世界保健機関)は『依存症』という言葉を使っていますが、アメリカ精神医学会が作成する精神疾患の診断基準・診断分類『DSM-5』では カフェインの使用障害を認めていません。大麻や覚醒剤とは違い、決意すればやめられる人が比較的多いのがその理由です」(松本医師)

 体格や体質、年齢、妊娠の有無などによる個人差も大きいため、「何杯までならOK」という情報にこだわるのではなく、自身の体調により適切な量をコントロールするのが良いという。

 カフェインの血中濃度(吸収され血液中に含まれる量)は摂取後30分~1時間30分程度で最大となり、効果が半分になる「半減期」は4~8時間と幅がある。「寝る直前を避ければカフェインを取ってOK」と考える人も多いが、人によっては昼の1杯が夜になっても完全には体から抜け切らないのだ。

 さらに、子どもや妊婦は半減期が延長するため、注意が必要だ。

「妊婦の場合、カフェインが胎盤を通して子どもに移行する可能性は非常に低い。しかし、胎盤にある血管を縮めてしまうので、体の血流量が低下し、お子さんの低体重や低成長の一つの原因になります」

カフェインが多く含まれる食べ物、飲み物は?

 では具体的に何に注意すればよいのか。

 カフェインの含有量が多い商品は、次の表の通りだ。

 コーヒーやエナジードリンクのカフェイン含有量が高いのは言うまでもないが、意外な飲料・食品に玉露茶、清涼飲料水、高カカオチョコレートなどがある。例えばコーラのカフェイン含有量は1 缶(355 ml)当たり36~46 mg。これは一般的なエナジードリンクとほぼ同程度だ。またオレンジジュースは、苦みを出すためにカフェインを入れている商品もある。

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カフェインを入れたほうが売り上げは上がる