「つみたてを続けて資産がある程度の金額になると、つみたて以外の取引もはじめるパターンが、ここ4~5年で多く見られます。
リーズナブルな投資と、安定した経営を両立するため、『面を取りに』行っているのです」
「楽天証券が力を入れているのは画面の見やすさ、操作性。よりよいデザインや新しいテクノロジーを追いかける専門チームがあります。
サービス開始前には証券取引未経験者も含めて数十人規模のユーザーテストで使いにくいところを洗い出します。面倒でも必ず」
そう、ネット証券選びで見やすさ、使いやすさは大事だ。
なぜ日本人は、お金のことになると「あっちのポイントが0.0何%多いから、多少見づらくても◯◯証券に」などと言いはじめるのだろうか。
比較対象が雑だが、洋服なら着心地よくデザインが好みで、かつ自分の許容できる価格のものを選ぶだろうに。
資産が大きくなればバカにできないという論はわかるが、議論しているSNS等を見ると引いてしまうことがある……。
楽天証券といえば投信の定期売却サービスが高く評価されている。
保有残高のうち一定の「金額」「期間」「定率」のいずれかを自由に指定して自動で売却してくれるサービスだ。
NISA対応で3種類の売却方法が指定できるのは、現状で楽天証券のみ。リタイアして、蓄えを老後に少しずつ使いたい人には便利である。
「証券会社にとって、せっかく買ってもらった金融商品を自動で売ってあげるのは常識外ですが」
そのまま忘れて保有し続けてもらえれば、うちにも信託報酬がちょっぴり入り続けるのにね、といたずらっぽく笑う楠社長。
ニーズに合わせることの大切さは、2023年春に開始した「かぶミニ(単元未満株取引)」でも実感しているという。
かぶミニは、通常100株単位で取引する日本株を1株から売買できるサービスだ。
その後、「かぶツミ(国内株式積立)」もスタートした。かぶミニ、かぶツミのいずれも新NISAに対応させている。