外見だけで人を判断してはいけない、とは分かっているものの、私たちはつい相手の内面や心の中さえも、その外見やちょっとした仕草から推し量ろうとしてしまいがち。しかしあながちそれは間違いではなく、実際に、好き嫌いや行動のくせには、その人の考え方の傾向が少なからず表れているといいます。



 外見やしぐさは、人を理解するひとつの手助けになったり、意外な一面や隠された本性を見抜くヒントになると語るのは、心理学を専門とする渋谷昌三さん。



 渋谷さんの著書『[イラスト版]外見だけで人を判断する技術』では、ファッションや髪型、顔立ちといった外見上の特徴、さらには食べ物の好み、口ぐせやしぐさから、その人がどのような一面を持つ場合が多いのか、イラストと共にわかりやすく指摘していきます。



 外見上の特徴----渋谷さんは、顔の大きさや、一重か二重か、眉毛や耳、鼻や口もとからもわかることがあるといいます。



 たとえば、耳。よく知られるところでは、耳たぶが厚く豊かな人はお金が貯まる「福耳」の持ち主だといわれますが、ここで渋谷さんが注目するのは、耳の大きさ。耳の大小によって、出世度がわかる場合があるといいます。



「耳の大きい人は、人のいうことをよく聞きます。そのアドバイスを取り入れるかどうかはともかく、他人の意見を尊重し、耳を傾けるだけの度量を持っています。逆に小さい耳の人は、自分の独断でどんどんやってしまい、周囲の意見を考えに入れる余裕がありません」(同書より)



 そのため、出世をしやすいのは、他人のいうことをよく聞いて成長する可能性を持った、耳の大きい人の方なのだそうです。さらに、耳が「血色のよいピンク色で、つやつやしていて、厚みがあって、はりがある」人は、体力があって仕事もできる人だともいいます。



 もちろん、渋谷さん自身、「この本に書いてある判断法も、あくまでその人を〝理解″するための参考にしてほしいものです。『こういう人間だ』と決めつけてしまって、もうそれ以外のところは見ないというのでは、本当のその人が見えなくなってしまいます」(同書より)というように、こうした特徴の数々は、複雑な人間のうちの、あくまでひとつの要素。一概に全ての人に当てはまるとはいえませんが、人づきあいに悩んだときには、ひとつの参考としてみるのもいいかもしれません。