香ばしいゴマ油の香りが食欲をそそる韓国ののり巻き「キンパ」。日本人にとってのおにぎりのような手軽なファストフードで、ソウルには至るところに専門店がある。最近はオリジナリティーあふれる具材で勝負するお店が続々オープンし、活況を呈している。
【写真】みっちり詰まったユッケとチーズの断面が美しいキンパの断面はこちら
韓国の食・文化・旅情報に精通した後藤涼子さん、土田理奈さんによる編集・ライティングユニット「omo!」は、刊行されたばかりの著書『Seoul guide 24H』2024-25年版で、最新のキンパ事情や人気店のおすすめメニューを紹介している。イチ推しは、ごはん少なめ、具ぎっしりの「ごちそうキンパ」だ。
***
ソウルを旅行中、サクッと朝食をすませたいときにぴったりなキンパ。2013年頃から「最も身近なファストフードをヘルシーに」と、素材にこだわる店が急増し、少なめご飯で具材を包む低糖質・高タンパクな「プレミアムキンパ」が続々誕生した。今ではすっかりこのタイプがスタンダードになっている。
近年はご飯の代わりに錦糸卵を使う「キトキンパ」も登場。糖質制限やダイエット中でも楽しめるメニューが加わり、ますますバラエティー豊かに進化している。
例えば、「ハンイプソバン」は、グルメな芸能人も御用達の人気店。うま味調味料を一切使用しない体に優しいキンパを提供、具材9対ご飯1の比率で巻き、ボリュームもたっぷりだ。看板メニューは「ムグンジチャムチキンパ」(5500ウォン)。古漬けキムチのパリッとした歯応えと酸味がツナマヨとマッチ。迷ったらまず頼みたい定番だ。「サムギョプサル包みキンパ」(7000ウォン)は、豚肉にサンチュ、味噌ダレ、青唐辛子などを合わせた神メニュー。サムギョプサルを再現したようなおいしさと食べ応えがある。