インボイス制度に反対するデモ活動をする英会話講師ら=2023年7月28日、東京都千代田区。様々な立場の人たちがインボイスに反対の声をあげている
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 10月1日から始まるインボイス制度で影響を受ける人たちがいる。負担増や膨大な事務作業につながるケースもあるようだ。AERA 2023年9月4日号より。

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>>【業界によって変わる“インボイス模様” 個人タクシーは課税事業者への転換に熱心】からの続き

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 フリーランスの団体は熱心に動いている。

 6月に国会前で1500人の反対集会を開いた「インボイス制度を考えるフリーランスの会」は最後まで「反対」を貫く。

「制度が本格的に始まった場合、年収300万円のライターが課税事業者になると生活費に使えるお金は月17万円未満にまで減ってしまいます。まさに死活問題なんです」(小泉なつみ代表)

 9月初旬に各政党や財務省などに再度中止を呼びかけ、約200の地方議会で採択実績がある制度反対の「意見書」も、さらなる採択を働きかけていく。

 フリーランスの「報酬適正化」に力をいれている「フリーランス協会」は、フリーランスの負担が増えないように各種業界団体などに要望し続けてきた。

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首藤由之

首藤由之

ニュース週刊誌「AERA」編集委員。特定社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナー(CFP🄬)。 リタイアメント・プランニングを中心に、年金など主に人生後半期のマネー関連の記事を執筆している。 著書に『「ねんきん定期便」活用法』『「貯まる人」「殖える人」が当たり前のようにやっている16のマネー 習慣』。

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