コントで若者が中年や老人を演じる時、デフォルメされるのは、頭髪。薄くなったり、白くなったり、中年女性を演じる時は、くるくるとしたパーマのショートヘアのかつらをかぶるのもそうですね。顔面には、シミやシワが描かれることが多い印象。
しかし、それらはあくまで極端な例。40代から50代の「なんか老けたわね」の原因は、もっと別のところにあると、自身をじっくり観察してわかりました。
髪は色よりボリューム。あとは適度なツヤが大切で、肌も同じ。シミやシワより血色とツヤをキープすることが大事。どちらも、テカテカするほどツヤめかなくて大丈夫。軽くヘアアイロンを使う程度で良いですし、顔面はファンデーションやコンシーラーの厚塗りを避けるくらい。
40代半ばから顔の輪郭がぼやけてくるので、やさしいマッサージで老廃物を流したり、切らない程度の美容医療を施したりも。首の後ろの盛り上がりには、運動やマッサージ。
目はアイシャドウより眉の形とアイラインがカギでした。私はリキッドとジェルのアイライナーを合わせ技で使っています。ちょっとした工夫が功を奏すると、気が滅入ったままということもありません。
自己満足の域を出ないことは承知ながら、私は今までで一番、自分をケアすることの醍醐味を味わっているように思います。こんな楽しみが待っていたとは知らなんだ。加齢、挑み甲斐があります。
○じぇーん・すー◆1973年、東京生まれ。日本人。作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニスト。著書多数。『揉まれて、ゆるんで、癒されて 今夜もカネで解決だ』(朝日文庫)が発売中
※AERA 2023年8月28日号