中学受験をすると決めたら、真っ先に気になるのがお金の話。子どもにいい教育を与えたいという親心だけでは、お金の問題は解決できません。教育費について、ともにファイナンシャルプランナーで6人の子を育てる横山光昭さん、関口博美さん夫婦がアドバイス。AERAムック『偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び2024』(朝日新聞出版)より抜粋して紹介します。

MENU 教育費をかけすぎると老後資金が不足する! 周りに流されず、親子で納得できる教育を

* * *

「教育費の相談を受けることは多いですね。よく雑誌で『私立はこれだけかかる』なんて特集記事があり、相談者に、『こんなにかかるんですか? 煽り記事じゃないんですか?』って驚かれますけど、本当にかかります!」

 そう話すのは、ファイナンシャルプランナーの横山光昭さん。自身も6人の子どもの父親で、妻でファイナンシャルプランナーの関口博美さんとともに、教育費のやりくりに苦労してきた経験がある。

「中高一貫校でかかる費用を算出してみると、私立なら6 年間で500 万〜700 万円は必要。公立は、中学の授業料はかかりませんが、教材費などは発生します。私立は短期海外留学などを実施しているところが多いです。学費から積み立ててくれるところもありますが、そうではない学校だと、またお金がかかることになります」(関口さん)

中高一貫校でかかる費用

 これは無事合格して、入学してからの話。小学生のころは塾代などの出費もかさむことになる。横山さんは、「教育費は手取りの15〜20%」とアドバイスしている。

「教育費は『いくらかかるか』ではなく、『いくらかけるか』。年収が額面で600 万円、ボーナスが3カ月分だとすると、月々の教育費は4万8千〜6万4千円くらいになります。これを全部、塾代や学費に回せるわけではなく、今後の教育費としてとっておかなくてはならないので、意外と少ないもの」(横山さん)

 中学合格後も塾に通わせるケースもあるだろう。

「私立の中には、放課後に校内塾を設けているところがあります。実際の塾だったり、卒業生が教えてくれたりとさまざまですが、安価で学校の授業を補えます。中学生のころが、何かとお金がかかってきついので、この厳しい期間を乗り越えるためにも、こうしたものもぜひ活用を」(関口さん)

著者 開く閉じる
吉川明子
吉川明子

NEXT教育費と老後資金はシーソーのような関係性
1 2 3