とはいえ、貯金だけですべての教育費を賄うのも決して容易ではない。そこで横山さんは、「貯金と資産運用の併用」を勧めている。
「貯蓄していても全然増えないですし、色のつかないお金を、つみたてNISAの低コストなインデックスファンドに回しておいて、いざ教育費がかかるころには増えている、となると安心」(横山さん)
教育費の準備といえば、学資保険が定番だが、横山さんはおすすめしない派。
「昔は予定利率が高かったけど、今はお得感なし。何十年も積み立てて満期にならないと受け取れないというのも使い勝手が悪いです。『他のことに使ってしまうので、確実に積み立てたい』という人以外は不要です」(横山さん)
周りに流されず、親子で納得できる教育を
子どもの将来を心配するあまり、「いい学校に入れなくては」「周りがみんなやっているから」と焦るのは禁物だ。
「子どものために教育費をかけること自体は素晴らしく、そのために頑張るのもいいこと。ただ、後先考えずにお金を使うことが問題なだけ。長期的に計画した上で、工夫しながらやりくりして、なんとかしようという気構えが大切。周りに流されず、あまり背伸びしすぎないこと。マネープランがきちんとできて、子どもにも納得のできる教育ができれば、親としては成功なのだと思います」(横山さん)
横山光昭さん:株式会社マイエフピー代表。「現場屋」を自認し、2万人以上の赤字家計を再生。6人の子の父で、昨年末には孫も誕生。
関口博美さん:看護師を経て、ファイナンシャルプランナーに。確定拠出年金などが得意。横山さんの妻として、6人分の教育費に奮闘。
※AERAムック『偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び2024』より
(文・構成=𠮷川明子)
偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び 2024 (AERAムック)
朝日新聞出版
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