教育費をかけすぎると老後資金が不足する!

 子どもの教育費を最優先にして忘れがちだが、老後資金も確保しておく必要がある。

「今は晩婚、晩産、少子化があり、親の経済力が上がっていくカーブと、子どもの教育費が増えるカーブにズレが生じています。これからお金がかかるという時に、父親が役職定年で収入減、ということもありうるんです」(横山さん)

 老後資金まで視野に入れた家計設計を考えるには、まずは「家計のキャッシュフロー表」を作るべき、と横山さん。「何年後にどれくらいのお金が必要か、そのためにはいくら必要かということを洗い出しておくのです。これをしておかないと、後で『老後資金がない!』と焦ることになります」(横山さん)

 家計設計で重要なのは、「収入」「支出」「運用」の三つ。

 収入が足りないという見通しが明らかになったら、妻も働く、貯金の一部を投資信託に回すなど、キャッシュフロー表を作る時期が早ければ早いほど、手の打ちようはある。

「教育費と老後資金はシーソーのような関係性で、子どもにお金をかけすぎると、老後の不安が増します。子どもからすれば、いい教育を受けることができても、将来親の老後を支えるために負担がかかっては本末転倒」(横山さん)

 それでは、教育費をどう確保すればいいのか? まずは、住居費や携帯電話代、保険料などの、固定費の見直しからだ。次に横山さんが勧めるのは、「色をつけないお金」をためておくということ。

「日本人は、『これは教育費』と色をつけたほうが安心するようですが、子どもの教育費があまりかからないうちに、とにかくお金をためておくこと。教育費に限らず、出費がかさんだ時に使えるお金があると安心できます。そして、このお金を使う時は上限額を決めておくこと。足りないからとどんどん使うと、後で困ることになります」(横山さん)

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