──「かりゆし58」の「オワリはじまり」でしたよね。歌詞に林監督が思いを込めた。

ヒロド あの光景を見たとき「宿舎取材にはまだまだこんなドラマがあるんだ」と思って、毎日のように宿舎に足を運ぶようになりました。

古田 僕はリハーサルの前にいったん自分のホテルに戻って少し休めるけど、ヒロドさんはその時間に宿舎に行くこともあるから大変だよね。

ヒロド コロナ前、試合後に通路での取材が可能だったときには、古田さんからよくミッションが出たんですよ。「あのプレーにはどういう意図があったのか。それを選手に聞いてきてほしい」と。もちろん選手には古田さんからの質問だと伝えるんですが、古田さんご本人が直接尋ねると、どうしても球児が萎縮してしまうんですよ。

古田 僕が尋ねるとだいたい「ハイ、ハイ!」となっちゃう。みんな礼儀正しくて、かしこまってしまうんですよ(笑)。その点、ヒロドさんが行けば球児たちも本当の笑顔を見せてくれますから。

──試合映像だけではなく、そうしたさまざまな素材を集めて30分の番組を作り上げるわけですね。

古田 リハーサルの前にスタッフと話し合いながらコメントの内容や秒数を決めていくんですが、第4試合が劇的な展開になってVTRの尺がたとえば予定より1分延びることがある。その分スタジオのトークが短くなるので、オンエア直前までバタバタすることもあります(笑)。そんなにバタバタするならスタジオ部分は生放送ではなく収録にすればいいのに、という声もあるんですが、やっぱり〝ナマ感〟を大事にしたいというか。球児たちの思いが詰まったVTRが流れたあとに、僕たちもそれを見て湧き上がった感情をそのままライブで出したいと思っています。

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それでもやっぱり憧れの場所