夏の甲子園の試合ハイライトと舞台裏のドラマを伝える「熱闘甲子園」(ABCテレビ・テレビ朝日系列全国ネット)。キャスターの古田敦也さん、ヒロド歩美さんに意気込みを聞いた。甲子園2023(AERA増刊)の記事を紹介する。
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──今年も熱闘甲子園の季節がやってきました。
古田 忙しい日々がまた始まるなあと(笑)。僕は2015年から番組に携わっていますが、それまでは「この選手はすぐプロに行けるかどうか」という視点でしか高校生を見ていなかった。でも、熱闘甲子園のキャスターをやるようになってからは「この選手は大学で3年後ぐらいに成長しそうだなあ」とか、高校生の見方が変わりましたね。
ヒロド 私は16年からなんですが、当初はルーティンに慣れるのが大変でした。でも、大会が進んでいくにつれてどんどん取材が楽しくなっていったことをよく覚えています。
古田 1日4試合のときは朝8時から試合を見て、随時スタッフと話をしながら番組で取り上げるポイントを決めていきます。僕は主に技術面の解説をするので、守備位置が気になる選手がいれば「この選手を撮ってください」とディレクター経由でカメラマンに指示を出すこともあります。ただ、夜9時ごろからリハーサルが始まるので、第4試合がナイターになると僕は途中で球場を出ることになる。ヒロドさんは試合が終わったチームの宿舎に行って取材をすることも多いよね。
ヒロド 宿舎取材を私の中で軸にしていきたいと思ったのは18年の星稜(石川)がきっかけですね。2回戦で済美(愛媛)にサヨナラ負けをしたんですが、宿舎に行くと2年生が3年生よりも泣いていて。その中で当時の林(和成)監督が歌を歌ったんです。普通、こういう場面で監督さんが歌うと泣いていた選手もだいたい笑うものなんですが、星稜の選手はみんな号泣したんです。