占い師、作家 しいたけ.
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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:身内(姉)の本性がわかり、困惑しています。けちなことです。相手がお金に細かいのでこっちも細かくして対応してみましたが、もともとが大雑把なせいか疲れてしまいました。ずるい人のように感じてしまい距離があいてしまいます。けちだなと思う人と嫌な気持ちにならずに、上手に付き合う方法があれば教えてください。(女性/会社員/45歳/おとめ座)

A:身内問題を抱えている人というのはわりと多くいると思いますが、僕が出している一つの結論があります。それは「合わない身内とは上手に付き合おうとしない」こと。

 身内ほどややこしいことはなくて、きょうだいが結婚したりすると、家族の構成員も増えていって合わない人も出てきます。

 そういう人たち同士は、やっぱり距離を置いて付き合うしかない。そうじゃないとお互いになんでわかってくれないんだって憎しみが増してきちゃうから。相手もきっと自分のようなタイプは苦手だろうな、というときは、「これぐらいの距離感で付き合おう」と決めるのも大人が身につけておくべき知恵の一つ。身内だとしてもそれは同様です。

 ただ、他人同士なら、苦手な人に対して自分が何も言わない代わりに相手からの干渉も受けないという条約が締結されますが、身内同士はそうもいきません。例えば実家の屋根の修繕費の話とか、親の介護に関する出費のこととか、苦手だから話をしないというわけにはいかない。

「他のことに関しては好きにしてもらっていいけど、これはケチだから出せないとかいう次元じゃないから、それはお姉ちゃんも出して」というプレゼンが必要になります。

「平均的な屋根の修繕費はこれぐらいで、私も2件問い合わせた結果これぐらいかかるから、最低限いくら出してもらわないと困ります」と、出費の根拠をきちんと伝える。

 話をするときは、海外の方との付き合いみたいに思ったほうがいいと思います。無理にわかり合おうとするんじゃなくて、日本にいる以上、信号が赤の時は止まってください、このルールだけは守ってください、と。

 僕もそれは意識していて、例えば高齢の親に対して今までと同じ感覚で言っても理解されない時があります。そういう時に感情的になったら相手も傷つけてしまうし、クールにならないと言えない。海外の人に説明する感じで、これはこうでこうなってるから、こうした方がいいよ、のように伝えるようにしています。

 身内って最大の甘えが発生する場所で、「なんでそういう考え方するの?」という怒りを相手にぶつけやすいし、ぶつけどころを間違えると接しにくくなってしまう。

 おとめ座は苦手なものや嫌いなものに対する「嫌い度」の深さが、結構深い人たちです。陰口を叩いたりして暗黒化していくと引き返せなくなるから「ケチな人嫌いだわー」って口に出しているぐらいがちょうどいいと思いますよ。

◎しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気

AERA 2023年8月7日号