自動車保険の保険金水増し請求が問題になっている中古車販売大手「ビッグモーター」だが、さらに店舗前の公道に植えられた街路樹に除草剤を撒いて枯らしたり、伐採したりしている疑惑が出ている。25日の記者会見で、和泉伸二専務(当時、現社長)は「今はそういう指導はしていない」などと否定したが、SNSでは各地の店舗前で樹木が枯れている写真などが拡散。東京都など各自治体も実態調査に乗り出す事態に発展している。現場を見た記者が疑惑の店舗を直撃すると、驚きの回答が返ってきた。
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〈これは明らかに除草剤が撒かれたのでは?〉
〈明らかにビッグモーターの店舗前だけ木が枯れている〉
SNSでは今、ビッグモーターの店舗前の樹木が枯れているという「証拠写真」が多数投稿されている。
ビッグモーターが25日に開いた記者会見で、兼重宏行社長(当時)は枯れている街路樹について「除草はやるので、それでなったのか。枯らすようなことは普通やりません」などと答えた。除草剤を撒くように指示しているのかについては、「まったくありません」と否定した。
また、和泉専務は除草剤を撒いたことがあることは認めながらも、「かれこれ10年くらい前の話。今はそういう指導はしていない」と答えた。
果たして「現場」はどうなっているのか。記者は樹木が枯れているという指摘のあった東京都の「環八世田谷店」に足を運んでみた。
枯れかけた店舗前の街路樹
京王線八幡山駅から環八通りに出て、南に歩いていくと、ビッグモーターの看板が見えてきた。
環八通りの横には街路樹が並び、植え込みが青々と生い茂っていたが、ビッグモーターの店舗前まで来ると、そこだけは街路樹が弱々しく、枯れかかっているように見えた。植え込みも茶色く枯れている。そして、きれいに整えられた敷地内の芝生の上には、落ち葉が多数あった。
報道を知って確認しに来たという近くに住む男性は、枯れている樹木を見ながら、「明らかにやっているね」と怒り心頭だ。