「アイドルの自撮りショット」 香港で食事を楽しむアップアップガールズ(仮)
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「アイドルの自撮りショット」 香港で食事を楽しむアップアップガールズ(仮)
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「アイドルの自撮りショット」 台湾で食事を楽しむアップアップガールズ(仮)
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「アイドルの自撮りショット」 台湾で食事を楽しむアップアップガールズ(仮)
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「アイドルの自撮りショット」 台湾で食事を楽しむアップアップガールズ(仮)
ケンドー・ナガサキのバーリ・トゥードin商店街
ケンドー・ナガサキのバーリ・トゥードin商店街

 引き続きスカパー!プレミアムサービス663chアイドル専門チャンネル「Pigoo」のディレクターである桂実(かつら・みのる)さんにお話をうかがう。アイドルに興味のなかった一大学生が、なぜアイドルの番組を撮るようになったのか? その源流にはプロレスがあった!

――この仕事に携わるようになったきっかけは?

桂 大学に入った頃は映画志望だったんですが、在学中につくばテレビでアルバイトをし始めて、こっちのほうが自由で全然面白いなと思うようになったんです。最初から「桂くんならどう撮る?」と任せてくれましたし。当時は午前と午後の時間帯に番組作りが分かれていたんですけど、午前の番組は「自分たちの好きな内容を勝手に作っていい」という感じだった。それが2000年ぐらいで、2001年にはガッツリ通って毎日来てて、2002年に大学を卒業というときに「うちに来る?」といわれて就職した感じですね。

――最初の頃で思い出深い番組は何ですか?

桂 もう放送していないんですけど、朝の時間に流す同性愛者向けのバラエティ番組を担当していました。ゲイカルチャーのイベントだったり、ゲイの悩み相談室などを、ノンケなんですけどやってました。アイドル関係で自分で企画して最初に担当したのは「#girl!」(ナンバーガール)ですね。2003年に始まった番組なんですが、最初の2年ぐらい関わってるんですよ。国民的美少女コンテストをとった子とか、ちょっと話題のある子に何日か密着してインタビューを入れて作る。今一線級で活躍している女優さんとかも出てました。ウチの番組が終わった途端に世間でブレイクする! ということも、よく言われたりしています(笑)。

――スカパー!プレミアムサービス663chアイドル専門チャンネル「Pigoo」では、何本ぐらいご担当を?

桂 9~10本ぐらいでしょうか。

――それだけ多くの番組を並行して企画構成するのは本当に大変だと思います。

桂 そのアイドルによってどういう風に見せ方を変えていくのか、模索はするんですけど、なかなかうまくはいかないですね。かといって危険なことをさせるわけにはいかない。番組作りで、いちばん怖いのはケガです。細心の注意を払っているつもりですが、トラブルが起きてしまう可能性はどんなときにもあるので、そのさじ加減が難しいですね。十何年ディレクターをやってきて、幸いにも1回もケガさせたことはありませんが。

――作品づくりの上で、影響を受けた映画やテレビ番組はありますか?

桂 「大日本プロレス ケンドー・ナガサキのバーリ・トゥード印in商店街!」(VHS)が、僕にとってのアイドル的作品です。商店街でプロレスをするんですけど、ものすごく作りこまれていて、60分間笑いっぱなしという。ぼくは2001年に知ったんですけど、これだと思って。何十回何百回見ても飽きないし、いろんな面白さが出てくるんですよ、ガチャガチャの入っている機械を(レスラーが)パーンと床に叩きつけた後に、その飛び散ったガチャガチャに子供たちが群がるシーンとか。そういうところもしっかり撮っていて、濃いんですよ。今では絶対できないハチャメチャな感じがある。テリー(伊藤)さんも(高橋)がなりさんも企画に入っていて。ビデオ安売王で980円で売っていた。安売王を見つけると買い占めてひとにあげていますね。これはすごいですよ、ファンタジーと現実の隣り合っている感じが。今はデジタルに落としましたが、これまで二三百回は見てますね。

――僕がプロレスを好きになった頃はまだジャイアント馬場、アントニオ猪木が健在で、前田“明”がいて、初代タイガーマスクが気を吐いていました。

桂 逆にそこらへんの時代はぜんぜんわからないんです。一番最初に面白いと思ったのは大仁田(厚)だったんで。でもプロレスの技がどうこうじゃなくて、真鍋(由)アナウンサーとのやりとりがむちゃくちゃ良かった。電流爆破のすごさをわからせるためにスイカを爆発させたりとか、そういう演出も好きだった。いかに凄さを視聴者に見せていくかという……で、午前中にDDTの番組がやっていたんですが、その映像担当がレスラーになる前のマッスル坂井さんだったんです。そのつながりで、DDTの映像班としても1年半ほど撮影しました。

――すごい話です。桂さんは「DOUBLE COLOR」(2種のアイドル・グループの競演)や「KAWAII POP FES」(これまで香港、台湾で開催)などアイドル・ライヴの特番も担当されていますが、プロレス時代に培った「ライヴ撮影」がそういうときにも生かされているのでしょうか。

桂 そうですね。楽しんで撮っていますよ。「カメラを持ったお客さん」と言うとなんですけど、そういう目線で、とにかく楽しもうと心がけています。プロレスの技が決まった瞬間をパシッと撮るように、アイドル達のライヴのキメもキチッと撮りたいですね。それには事前にアイドル達の曲を知っておかないとできない。(アイドルを)よく知らない他人に頼むぐらいなら、多少大変でも、わかっている自分が撮ったほうがよほどいいものができると思います。

――「KAWAII POP FES」のとき、桂さんは一日中会場で撮影されていますが、各アイドルは出番以外の時間のとき、別の場所でファンツアーも行なっています。その場合の撮影は誰がなさっているのですか?

桂 アプガのファンツアーに関してはメンバーの自撮りです。それがとんでもない映像なんですよ……ひたすら食べてるシーンだけで……本当に食べてばっかり。一人のメンバーが、他のメンバーが食べてるところを撮る。たまにマネージャーさんがカメラを回すこともありますけど、食べてばっかり! でもいい反響が来るんです。プロで撮ってる僕らが悲しくなるぐらい「メンバーの自撮りが面白かった」という感想が多い。あと、「編集はいいから、とにかくダラダラ流してくれ」という意見もありますね。

――でも推しメンバーが「自撮り」した場合、その推しメンバーはカメラを持っているので画面には映らないですよね。

桂 そうなんですけどね、メンバーが自分たちでやっているという「仲間うち感」がファンにはいいんでしょうね。[次回4/27(月)更新予定]

■アイドル専門チャンネルPigoo (スカパー!プレミアムサービス Ch.663)
http://pigoo.jp/pigoohd/
■ガールズエンタメ配信サイト pigg オンデマンド
http://ondemand.pigoo.jp/