占い師、作家 しいたけ.
占い師、作家 しいたけ.
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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:心を許せる相手がほぼいなくなってしまいました。ここ数年で人と気軽に会う機会が減り、また一人暮らしも長く、精神的スッピンで接する・かに座の甲羅の内側を見せることへのハードルを自分で上げてしまっています。恋人にも「よそゆきのしっかりした自分」で出会ったため、素が出せないままうまくいかなくなり、早々に別れてしまいました。(女性/会社員/30歳/かに座)

A:今回はかに座という観点での話から始めたいと思います。

 かに座を占っていて本当に面白いなと思うんですが、かに座の本質は「スーパーめんどくさがり屋」です。「家で寝っ転がっているのが仕事で、誰かがお菓子とジュースを届けてくれたらいいな」というのが本音のところがあります(笑)。でも、そんなことでは絶対に生きていけないということも、もちろんわかっています。頭がいい人たちですから。それで、人生の一時期にものすごく訓練をします。自分の能力が70だとして、150を毎日出さなきゃ生きていけないような環境に、何年か身を置いたりもします。仕事もつらいのに、そのつらさを忘れるためにジョギングをしたりして「痛みをもって痛みを制する」みたいなことをするんです。とにかくそのドS具合というかドM具合というか、すごいんです。

 そうやってかに座が自分のフルパワー以上の限界突破した日々を送った後には、やっぱり自分の戦後処理みたいなものが必要になります。

 この相談者さんの場合もそんな状態の感じがしました。文面を見てもポカンとしているような感じがあって、もう絶対にあの日々には戻ることができない、みたいな燃え尽きた感じがあるんですよね。

 自分の能力をある時期に使いすぎてしまうと、魂というか自分の本体が抜けて、ポカンとしてしまう。そういう状況が起きているのかもしれません。

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