ryuchellさん(撮影写真映像部・松永卓也)
ryuchellさん(撮影写真映像部・松永卓也)
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 7月12日に亡くなっているのが確認されたタレントのryuchellりゅうちぇる)さん(27)。原因はまだ明らかにはなっていないが、ryuchellさんは生前、どんなことを考え、どんな話していたのか。ビジネス映像メディアを手がける「PIVOT」執行役員の竹下隆一郎さんは、約4年前に対談した時の印象を「言葉の二重性を深く意識している人だった」と語る。


「まだ亡くなられた理由もわからなかったので、具体的なコメントはこれまで控えていました。憶測を排して話したいと思います」

 竹下さんはそう述べた上で、ryuchellさんと対談したときの印象をこう表現した。

「ryuchellさんは、言葉の二重性を深く意識する人。つまり、目の前の相手が自分の言葉をどう思うのかと同時に、その場にはいなくても、対談の後に記録に残った言葉を読んだり、聞いたりする人のことも考えて、コミュニケーションをする人なんだと。そう感じました」

 ryuchellさんと対談したのは、竹下さんがハフポスト日本版編集長を務めていた2019年10月、朝日新聞社が主催する「朝日地球会議2019」で「自分らしく生きることって難しくない?」をテーマに話した時だ。

 そのなかでは育児の話題にも触れたという。

「当時、私も育児中でした。ryuchellさんは、そんな私のことを対談者としてだけではなく、育児中の保護者としての目線でも話してくれていました。子育てにはいろんな考え方があります。だから、これは正しいなどと断言せず、なおかつ育児をしたことがない人にも、不快にならないように気を使って話していた印象です」

 他の話題でも、決めつけや断定的な表現は決してしなかったという。

 ryuchellさんは2021年、TBSテレビの戦争特番に出演した。自身の祖母が経験した沖縄での戦争について、当時、少年兵として「鉄血勤皇隊」に所属し、前線での弾薬運搬などの任務を担っていた男性(放送時は96歳)に、ガマ(=洞窟)での悲惨な話などを聞いていた。

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