「DiVa春のツァー2015」フライヤー画像
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「DiVa春のツァー2015」スケジュール
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「おれもおやじの跡を継いで詩人になってやろう」などと思ったことは生まれてこのかた、一度もない。向き不向きはこどもでもうすうす気づいてしまうもので、詩をはじめとして読書感想文等の「自分の気持ちを素直に書いてみよう」なんていう授業はほんと苦手で、なにも言葉が出てこない上に、無理矢理ひねりだした陳腐なフレーズに苦笑の連続という有様。(そんな私なのに「ほめちぎ」のしめきりが次々おそってきてコワイよ~×_×)。音楽の授業はというと、自分でも「なんとなく音に対するセンスあるのではないだろか」という気がしていたし、ピアノを習っていたということもあり、歌はそこそこ歌えるし、ピアニカや木琴などもまあすぐできる。でも気が弱い私は「男の子なのに音楽が得意なのって変だ、からかわれるぞ」という勝手な先入観でクラスの中でできるだけ目立たないようにしていたのであった。ひねくれた奴……。

 いつも「音楽をやるようになったきっかけは?」という同じ質問をされて辟易としているが、向いているなという勘はあったとはいえ、てくてく楽しく歩いてきて気がついたら音楽家になっていた(たどりついていた?)というのが一番正直な言い方だと思う。よく努力と辛抱、そして精進を重ねて苦節何十年でようやく今の世界を築きあげました、的なドキュメンタリーを見ると、もう穴があったら入りたいどころではなく、ひたすら世界のすべての人たちに謝りまくりたくなってしまう。ごめんなさい すみませんほとんどノリで生きています。

 そんな私だが、歌を書くということだけは、得意だと思い胸をはってずっと続けてきたことだし、これからもチャレンジしていくライフワークだ。言葉の連なりがスルスルとメロディーに変換されていく瞬間のスリルがたまらない。なんどもなんども細かく推敲して、この音の流れがベストだ!とふと確信する時の達成感。ああ神様ありがとう(目キラキラ☆)。前述のように詩は書けないので、歌の素材になるいい言葉、一瞬で魂鷲づかみのフレーズに常に飢えている。ガルル もっと言葉をくれ~! 詩は歌に恋をしているのだぞ~~(叫 ってこれは(c)谷川俊太郎。彼もかねがね詩を書くより音楽を聴くほうが好きと公言してはばからない(^_^;))

 DiVaは、私が「歌になることを想定して書かれていない詩を歌にした作品」を数年来書き続けてきてたまってきて、それを発表できるバンドを組みたいなと思い、大坪寛彦(bass)に声をかけ、彼がmakoring(vocal)を紹介してくれて、3人でやってみようかということになり、96年に始まったバンドだ。俊太郎の詩を歌にした曲が多いのだが、彼の詩は合唱曲としては多くとりあげられているが、DiVaのようにバンド形態で歌われるソロの曲はあまりなかったので、静かな話題をよび、また、『俊太郎&DiVa』として「詩の朗読と歌が交互に進むコンサート」というのもおもしろい試みとして、全国各地で多くのコンサートを開催していただいたりしつつ今にいたっている。

 自他ともに認める牛歩のバンドである。モ~~(鳴いてみた)今後もブレークしたりはしないのだろうけど、静かに淡々と歩んでいくのだろう。(と、バンマスの私が達観していていいのか!)

 さて、今年の春のツァーが3月18日(水)、東京・芝「Melody in the Park」からスタートする。まだ一度もお聴きになったことがないという方はぜひこの機会に一度DiVaの世界を体験してみてください。歌のフォーマットで書かれていない言葉たちが、自在に音の海で泳いでいます。いや、ほんと。こんなこと自分で書くのも恥ずかしいけど、このユニークな世界はありだと思う。百聞は一見にしかず。あっ、いや音楽の場合は「百想像は一聞にしかず」か。そうやって私もまずは初ライブでいろいろな驚きの音楽に遭遇してきたものだ。しみじみ。 
 では、各会場でお待ちしています!\(^O^)/[次回3/30(月)更新予定]

■DiVaに関してもう少し知りたいという方は下記私のインタビューへgo!
http://gold-fish-press.com/archives/17574

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