2日の東京株式市場は、日経平均株価が前日比376円高の3万1524円で終えた。5月30日につけたバブル経済が崩壊した後の高値(3万1328円)を上回り、約33年ぶりの高値水準だ。株価はどこまで伸びるのか。
「日経平均株価は今後1~2年をかけて3万円台後半をめざす動きになるでしょう」
証券ジャパン調査情報部の大谷正之部長は、上昇トレンドは続くとみている。
その理由について、まず、海外投資家の姿勢を挙げる。東京証券取引所によると、海外投資家は5月第4週(22~26日)まで9週連続で日本株を買い越した。9週連続の買い越しは6年ぶり。海外投資家が足元の株高をけん引してきた格好だ。
「日本企業はこれまで内部留保をため込むだけで、資産を有効に活用できていないとみられていました。ところが、政府や東京証券取引所が、統治体制や株主還元に対する改革を企業に求めてきたこともあって、日本企業の姿勢は外国人投資家の目で見ても分かるように大きく変わった。著名投資家のウォーレン・バフェット氏が4月に来日して商社株への投資比率を増やしたことも、日本株が見直されるきっかけになりました」(大谷さん)
日本経済では物価の値上がりが続き、デフレ脱却が意識され始めていることもある。インフレ局面に入れば、相対的に価値が下がる現金や預金よりも、株式や不動産といった実物資産を持っている方が資産形成には有利だ。さらに株式投資には、2024年から投資信託などの運用益が非課税になるNISA(少額投資非課税制度)が拡充されるなど、制度面の追い風も吹く。積み立て投資など若い投資家層の関心も高くなっている。