AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:2年前に上の子が不登校になり、転校しました。落ち着いてきた時、下の子が不登校に。生徒会の執行部で頑張り引き継ぎが終わった頃でした。数えるほどしか学校に行けていません。中学校の勉強を自分でしている様子です。やる気を出してほしくて高校進学のお祝いで旅行を計画したり、新しいスマホを買ったり準備していますが、私はどう動けばいいのかわからなくなっています。(女性/主婦/49歳/うお座)
A:生徒会という頑張る対象を自分で見つけて、責任を持ってやってきたお子さん。とても素晴らしいことだと思いました。少し燃え尽きてしまったのかもしれませんね。
一つ引っかかった部分があります。進学祝いで旅行計画を立てたり、新しいスマホを買ってあげたり、のご褒美の話のところです。もちろん親心として、そうやって奮起してもらいたい気持ちもすごくわかる。でも、このご褒美作戦は悪手かもしれません。
ご褒美システムは、本人がやる気にあふれ精神的な方向が上向きのベクトルにある場合にだけ、効果を発揮するものだからです。頑張る意味を見失って行き詰まっている、ベクトルが下向きの時は、結果がどうであれ、「恨み」が残ってしまうことが多い。
お母さんにそのつもりがなかったとしても、お子さんは「モノで釣っているんだな、軽く見られたものだな」のように感じてしまう。気持ちが下向きの時ってそういうふうに考えてしまうものです。
子どもが何かしらの問題で行き詰まった時は、素直に親も行き詰まってしまった方がいい、と僕は考えています。
人生のいろんなタイミングで、どうしても立ち止まらざるを得ない時があります。その時に親も立ち止まって、それまで自分の頑張ってきた方向性を見直してみる。