
マイクロソフトは22日未明(日本時間)、次世代OSとなる「Windows10」に関する発表会を行った。ここではWindows10についてさまざまな新情報が明らかにされ、来週から新たなプレビュー版の提供を開始することが発表された。
今回の発表会では、Windows7・Windows8.1・Windows Phone 8.1を利用しているユーザーは、Windows10が公開してから1年間無料で「10」にアップデートが可能となることがわかった。「10」にアップデートすれば、その後のOSのバージョンに縛られることなく、無償でアップデートが継続して提供される。
マイクロソフトの製品は、これまでWindows7やWindows8といった各バージョン内であれば、無料でアップデートすることが可能だった。しかし、こうしたバージョンを越えたアップデートを無償で行えるようになるのは今回が初めてとなる。
今月13日には、Windows7のメインストリームサポート(無償サポート、仕様変更、新機能のリクエスト受け入れといったサポート)が終了となった。これまでマイクロソフトはあらかじめOSのサポート期間を定めて、その期限を切れるころに新バージョンへの買い替えを促すビジネスモデルを展開していた。
ちょうど去年の今頃、各企業や官公庁のパソコンが、サポート期間終了に伴い、一斉にWindows XPからWindows7へと移行していたことはまだ記憶に新しいだろう。だが、マイクロソフトが無償提供の方針を打ち出したことで、ビジネスモデルの一大転換点となったのだ。
Mac OSでは、2013年に公開されたOS X v10.9 Mavericksは、現在まで無償でアップデートが続けられている。マイクロソフトOSのアップデートの無償化が明確になったことで、世の中のほとんどのOSが買い替える代物ではなくなったといえる。
もうひとつ大きなニュースは、これまで分かれていたパソコン向けOSとモバイル向けOSが、Windows10では同じものになるという点だ。
アップルの製品でたとえれば、パソコン向けのMac OSと、iPhoneやiPad向けのiOSを統合することに等しい。つまり、相互に完全な互換性を持つことで、パソコンで使えるソフトがモバイルだと使えないといったことが期待できる。
またひとつ、こうしたパソコンとモバイルの障壁が取り払われたことで、我々の生活をまた変えてくれる期待感がある。正式なリリースが待ち遠しくてしょうがない。
(ライター・河嶌太郎)