ラッパーの呂布カルマさんの起用は「ラップのファンが見ても納得し、かつ見た目が怖そうな人」という条件に合致して白羽の矢が立った。
「呂布さんには『どっきりかと思った』と言われましたが、実際のリリックも企画をベースにして作ってくれました」
オンエア後、真っ先に反応があったのは、若者向けメディアであるTikTokだった。一方、70代の女性からは「泣けた」といった反応があったという。
このCMは単に「高齢者を労(いた)わろう」と言っているのではなく、高齢者が“今どきの若者”に持ちがちな偏見も同時に諫(いさ)めている。そこには今断絶しがちな世代間のコミュニケーションの可能性が示唆されている。
「ネット上で何回も見たいという声もあり、想定外の反響をいただきました。“ちゃんと伝わるといいな、と思っていたことが伝わる”というのは、こういうことなんだなと実感しています」(森井さん)
※週刊朝日 2023年3月31日号