メモリアルスペースでは、生前に書いたお別れの言葉が表示されるほか、訪問者による追悼メッセージを残すことも出来る(画像:ヤフー株式会社提供)
メモリアルスペースでは、生前に書いたお別れの言葉が表示されるほか、訪問者による追悼メッセージを残すことも出来る(画像:ヤフー株式会社提供)
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自分の死後、あらかじめ登録しておいた人にメッセージを送ることが可能だ(画像:ヤフー株式会社提供)
自分の死後、あらかじめ登録しておいた人にメッセージを送ることが可能だ(画像:ヤフー株式会社提供)

 自分が死亡した際の遺言や葬儀の方法、遺品の整理などについて考え、家族らと取り決めをする「終活」が話題となっている。近年では、実社会のみならず、個人のパソコンやインターネット上に保存されたデータの削除など、身辺整理の対象が広がってきており、何から手を付けたらよいのか、と悩む人も多いだろう。

 そんな中、ヤフー株式会社は2014年7月14日から、葬儀や霊園、仏壇などの情報サイトを運営する鎌倉新書(東京都中央区)と提携し、死亡確認後の有料サービスの停止や、家族や知人へのメッセージ送付などを代行する「Yahoo!エンディングサービス」を開始した。

 両社は、2014年5月からすでに遺族向けの葬儀手配サービスを提供しているが、今回のサービスは、死後におけるインターネット上の身辺整理を、自ら依頼するという点が特徴だ。

 このサービスでは、生前のプロフィールを閲覧できるページや、最大200人へ送れる「個別メッセージ」の作成などを生前に準備できる。そして、死亡後に利用者の遺族がヤフーに連絡をすると、作成しておいたメッセージの送信や、故人が利用していた有料サービスの停止などの手続きを代行するという仕組みだ。「個別メッセージ」サービスのみ有料で、作成したメッセージの保管料として月額180円(税抜)がかかる。このほか、葬儀の見積もりや手配、お墓探し、遺言についての相談なども受け付けている。

 なお、「Yahoo!エンディングサービス」では、利用登録者の死亡を公的証明書(火葬許可証)によって確認する独自の方法を実現。亡くなったことを書面で確認の上、利用登録者の『生前準備』内容が実行されるため、なりすましによる遺言メールの誤送付などの心配をせずに安心して生前準備を行えるという。

 自分の死後、パソコンやインターネット上に残されたいろいろなデータ、アカウント情報などをどうするのか、よくよく考えるとかなり面倒な問題だ。FacebookやTwitterなどのソーシャルメディア(SNS)が普及した一方で、利用者が死亡した際にアカウント停止などの措置が取られず、友人・知人からのメッセージを受け取り続けるという事態も起きている。アカウントが存続し続ければ、なりすましの危険性も大きくなる。ヤフーでも、利用者の死後、Yahoo!有料サービスの請求書を見た遺族からサービス停止の要望があった場合、本人確認のための公的書類の提出などが必要であり、遺族に大きな負担をかけてしまうことがある。今回のサービス開始には、こういった背景もあるのだという。

 なお、FacebookやTwitterの利用者がなくなった場合、Facebookは遺族からの死亡診断書の提出などによってアカウントの削除や追悼アカウントの設定を、Twitterは死亡証明書や遺族の身分証明書などの提出によって削除を受け付けている。

 他にも、デスクトップ上に表示されたショートカットキーを押せば、家族などへのメッセージを表示。家族がメッセージを読んでいる間に、事前に指定しておいた、見られたくないファイルを削除してくれる「僕が死んだら…」や、一定期間パソコンを起動しないでいると、指定しておいたフォルダやファイルを消去してくれる「死後の世界」などのフリーソフトもある。

 いずれ来る時に備えて、自分の情報をどう管理するのか。遠い未来のこととは思わずに、事前に備えておくのも今の時代必要なのかもしれない。