スマートグラス向け電子書籍の使用イメージ(写真:大日本印刷提供)
スマートグラス向け電子書籍の使用イメージ(写真:大日本印刷提供)
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今後展開していくサービスのイメージ(写真:大日本印刷提供)
今後展開していくサービスのイメージ(写真:大日本印刷提供)

 眼鏡型ウェアラブル端末として注目されているスマートグラス。目の前が塞がれた状態で画面が表示されるヘッドマウントディスプレイ型とは異なり、画面を捉えつつも目の前の風景がシースルーで見えるため、それこそコーヒーを飲みながら映画鑑賞をするといったこともできるのだ。

 ドラマや映画、ゲーム以外にも様々な使い方が期待される中、大日本印刷が、スマートグラスの機能を生かしたデジタル雑誌と電子書籍を開発した。

 セイコーエプソンのシースルータイプのスマートグラス「MOVERIO(モベリオ)」に対応しており、周囲の状況を確認しながら、デジタル雑誌や電子書籍、関連する動画などを楽しめる。同社は2015年の実用化を目指し、コンテンツの開発を進める。

 今回開発されたデジタル雑誌と電子書籍は、機器に搭載された人の動きを検出するジャイロセンサーなどを利用し、手で画面を操作しなくても、スマートグラスをかけて頭を上下左右に動かすことで、コンテンツの選択やページめくり、スクロールなどの操作が出来るのが特徴。移動中や外出先でも、ハンズフリーで読書が出来、寝そべった状態でも楽しめる。また、自分が見ている画像や文字データに関連する情報が提示されるAR(拡張現実)機能を利用し、専用のコンテンツ配信サイトから対応アプリを取り込めば、雑誌などの印刷物を見ながら、関連した動画などを視聴することも可能にした。

 2014年7月2日から5日まで開かれた「第21回東京国際ブックフェア」では、スマートグラスで海外の観光地のページを見ると、その土地のパノラマ映像が楽しめるデジタル雑誌が展示された。例えばパリのエッフェル塔のページでは、塔の前に立ち、ぐるりと360度を見渡したような映像を見られる。また、SF漫画「攻殻機動隊」(史郎正宗作、講談社)の表紙を見ると、現在上映中の映画「攻殻機動隊ARISE-GHOST IN THE SHELL」の予告編を閲覧出来るコンテンツも紹介された。

 同社は今後、スマートグラスに適したコンテンツの制作や配信を行うプラットフォームの構築を目指す。書籍だけでなく、企業のカタログやチラシと関連する商品の映像などを組み合わせたコンテンツなど、スマートグラスの活用方法を探っていくという。