
独自の電子書籍タブレット「Kindle(キンドル)」シリーズも手掛けている通販サイト、Amazonが初めてのスマートフォン「Fire Phone(ファイアフォン)」を発表。とうとうスマートフォン市場にも参入した。発売は7月25日の予定で、アメリカの大手通信会社AT&Tが扱う見込みだ。
今回発表された「Fire Phone」は、Android OSをベースにして独自開発した「Fire OS 3.5.0」が搭載され、多くのAndroidアプリとの互換性もあるという。新たなOSを搭載しているとはいうものの、端末としてのスペックだけを見ると、それほどすごいわけではない。特に、液晶画面の解像度は4.7型HD(1280×800ドット)と、現在日本のAndroidスマートフォンで主流の5型フルHD(1920×1080ドット)と比べると若干見劣りしてしまうかもしれない。その他のCPUやメモリといった部分も突出して目立った点はないようだ。
また、メモリ容量32GB版の端末価格は、AT&Tとの2年契約で199ドル(約20300円)。通信会社との契約なしでの価格は649ドル(約66300円)と、それほど安いわけではない。
しかしFire Phoneにはこれまでのスマホにはなかった新たな機能がいくつか搭載されている。
中でも注目なのは「firefly」機能だ。搭載したカメラで、本の表紙や食料品・日用雑貨・ゲームソフトなどのパッケージを撮影すると、撮影した画像をもとに同社の膨大な商品のデータベースと照らし合わせて商品の購入画面を呼び出すというもの。これは、流れてくる音楽を録音して、曲名・アーティスト名を自動判別してくれるスマートフォン向けアプリ「Shazam」の映像版といってもいいかもしれない。
更に、特徴的なのは「Dynamic Perspective」機能だ。この機能では、搭載したカメラが画面を見ている使用者の顔や頭の動きを捉えるのに加えて、本体の傾きも感知することで、ユーザーがどのような位置で画面を見ているかをスマホが常に認識。画面を覗きこむ位置や角度によって、奥行感のある画像が表示される。そしてこの機能を使えば、顔や頭の動きでアプリの画面スクロールもできるという。
このほか、24時間365日のサポート(音声での案内)が受けられるという「May Day」機能も用意されている。
手を使わずにアプリを動かせる「Dynamic Perspective」など、注目の機能を早く試したい人多いかもしれないが、残念ながら現時点で、日本への導入は未定。販売しないとはアナウンスされていないので、今後の動向を見守りたい端末だ。

