J-WAVE×agehaspringsのコラボイベント【30th J-WAVE×agehasprings Open Lab. SOUND EXPERIMENT】が、10月5日に六本木ヒルズで行われ、音楽プロデューサーの玉井健二、百田留衣、レコーディングエンジニアの森真樹、そして気鋭のシンガーソングライターPuskasが登場した。
本イベントは、「J-WAVE発 洋楽ヒット曲」を題材に、実際の音楽プロデュース・制作の現場を見せる公開レコーディングで、3日目のテーマは「アレンジ」だ。直近の作品では、Aimer「Black Bird」「ONE」やCNBLUEのベストアルバム『Best of CNBLUE / OUR BOOK [2011 -2018]』に携わった玉井&百田が、どのように作品を作り上げているのか、本来は見ることのできないレコーディングスタジオの中を垣間見ることができるというスペシャルなイベントだ。5日の題材となった楽曲はC+C Music Factory 「Gonna Make You Sweat (Everybody Dance Now).」。まずはPuskasがループマシーンを使いながら、ギターのリフを一層際立たせたカバーを披露した。
演奏を聴いて、玉井は思わず「いいじゃん、これで」と感想を述べつつ、「今日の趣旨にあわせて、この曲とPuskasが生まれた90年代の音使いと、Puskasの今の音をミックスした曲にしてみよう」と、早速レコーディングがスタートした。まずはギターのリフとPuskasのコーラスをそれぞれレコーディング。百田がリアルタイムで編集しているCubase(DAW)の画面をステージバックに映しながら、玉井の細かなディレクションのもと、ドラムやクラップ、パーカッションなど、音が1つずつ重ねられていく。最後は、瞬く間に仕上げられた音源に乗せて、再びPuskasのギターとヴォーカルの録音が行われた。レコーディング後の生ライブでは、Puskasが自身のオリジナル曲を披露。疾走感溢れるポップチューンから、しっとりとした等身大のラブソングまで幅広いナンバーを歌い上げた。百田が「1つの楽曲を短時間で打ち込むのはとても大変だったけど、お見せした編集画面などを通じて、少しでも皆さんの音楽活動の参考になれば」とコメントすると、玉井は「なかなかの早業だった」「短時間であれだけ打ち込めるというのが先ず凄いということをご理解下さい」と百田を称賛し、「アレンジの肝はコンセプト。原曲に対して、どんなコンセプトをつけるかでアレンジが決まる」と締めくくった。
最後のアフタートークで再び登場した玉井は、今回のイベントを開催したきっかけについて「いつも、一番面白い瞬間をリスナーのみなさんにお見せできていないという思いがあった。完成した音源だけを世の中に発表するのではなく、ゼロからイチにする瞬間を見て欲しかった」と説明。そして、最後に今後は「音楽を作る人がもっと増えてほしいし、作っている人だから分かる凄さというのを伝えていかないといけない。これからも裏方のスーパースターを発信していきたい」と語った。
音楽プロデューサーとアーティストのやりとりをリアルタイムで見ることによって、多くの発見や気付きを得ることができた3時間。このイベントをきっかけに、より豊かな音楽体験へ踏み出すことができたリスナーも多かったのではないだろうか。agehasprings Open Lab.では、定期的にこのような公開レコーディングや、ワークショップを開催している。また、本イベントに登場した玉井健二、Puskasが参加する“未来のエンタテインメント体験”をテーマにしたハッカソンが、10月17日にビルボードライブ東京で開催。本イベントでは、音響通信技術を使ったライブの新演出や、VR空間でアバターどうしがコミュニケーションできるという新体験など様々な技術が発表され、Puskasによるライブパフォーマンスも行われる。また、公開録音された音源は10月8日にJ-WAVEで放送される番組『J-WAVE 30th ANNIVERSARY SPECIAL TOKYO SOUND EXPERIENCE』で放送される。
◎番組情報
「J-WAVE 30th ANNIVERSARY SPECIAL TOKYO SOUND EXPERIENCE」
2018年10月8日(月祝)
9:00~17:55
◎イベント概要【Live Hackasong vol.3最終発表】
2018年10月17日(水)
17:30 OPEN 18:30START
入場料:無料
予約&問い合わせ ビルボードライブ東京 03-3405-1133
出演:Puskas、学生および社会人による9チーム
MC:FUJIWARA、佐藤千尋(慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科 特任助教)
審査員長:中村伊知哉(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授/Cip協議会理事長)
審査員:玉井健二(音楽プロデューサー/agehasprings CEO)
ジェイ・コウガミ(デジタル音楽ジャーナリスト/「All Digital Music」編集長)
高木 美香(経済産業省)
加藤有治(クールジャパン機構)