追悼の歌、詩、文章を集めた本である。この本が、よくある「おくやみ集」とまったく違うのは、追悼される側が「野垂れ死ぬ」「刑死する」「殺される」ような人たちだからだ。そんな不遇の人の死に、追悼の詩を捧げるのは、その人を敬愛していた人ばかりではない。不遇の人というのは往々にしてまわりの人間にも迷惑をかけている。その、とんでもなく迷惑をかけられた人や、顔も見たくないと思っていたであろう人が、血の涙を流…

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