昨年、毎月20本のバラエティー番組に出演するなど、テレビでひっぱりだこだったのがメンタリストのDaiGo。行動や態度、言葉などから相手の心理を読み解き、思うままに誘導する技術「メンタリズム」のパフォーマンスと、キレのあるコメント、爽やかなルックスで人気を博しました。



昨年末、パフォーマーからの引退を宣言したDaiGo。その近況が、9月27日放送の「有吉ジャポン」(TBS系)で紹介されました。DaiGoは、メンタリズムの手法をビジネスに応用し、経営にアドバイスする企業コンサルタントに転身。銀行やアパレルを含む大手企業5社と契約し、社員研修や講演会、ビジネス書の執筆を行う毎日を過ごしているそうです。



「相手の潜在意識を読み取り、相手のメリットになる結果に導く」メンタリズムの特徴は、ビジネスの現場との親和性が高いと言うDaiGo。ビジネスの場で簡単に活用できるメンタリズムの手法を、交渉やプレゼン、販売や接客、クレーム処理などといったビジネスシーン別に紹介しているのが、書籍『一瞬でYESを引き出す 心理戦略。』です。



例えば、商談やプレゼンなどの交渉には、適した時間や場面があるそうです。それは、「午後イチか、もしくはできるだけ夕方に近い時間」。



人間は、食べたものを消化する際、消化器系に血液が集中します。その分、頭部への血流が減って、脳の働きが鈍くなるので、判断力がにぶるのだとか。逆に、適度な空腹は人間の脳を活性化させるので、交渉を成功させたい際には、ご飯を抜いた状態で臨むのがベストなのだそうです。



夕方がおすすめなのは、1日の疲労が精神的にも肉体的にも高まっている時間帯だから。DaiGoいわく、「一日の中で人間の購買意欲がもっとも高まるのは、夕方の6時から夜の10時の間」。疲労が高まり、判断能力が鈍るため、バーゲンや広告宣伝の暗示に影響されやすくなり、ついつい買ってしまうのだそうです。



日本でも一般的になりつつある、昼ごはんを食べながら行うビジネスミーティング「パワーランチ」も、「非常に有効」であるとのこと。人は物を食べている時、心理的に無防備になり、心のバリアが弱まるので、相手に対して好意を抱きやすくなるのだとか。「物を飲み込んでいる時に、人は暗示にかかりやすい」「コーヒーを飲むと、人は説得されやすくなる」ということもあり、パワーランチは交渉にはうってつけな手段であるようです。



それ以外にも、

■プレゼンを通したいなら「相手の言葉」を盗め

■企画書は完璧じゃないほうが通る

■買う人だけを3秒で見分けるテクニック

■あなたのねらい通りに商品が売れていく「選択の暗示」

■これはもう許すしかない。謝罪の作法とは



など、相手の心に寄り添い、よりよい関係を築くための「心理戦略」が満載の本書。いずれも簡単なコツさえ覚えれば、明日から実践できるほどに手軽なものとなっています。