北海道付近は冬型の気圧配置となっていますが、明日にかけて次第に緩み、明日は高気圧の張り出しの中に入る見込みです。明日にかけては大雪の心配はなく、雪の降り方は全般に弱いでしょう。冬のこのような天気の時は、時折ちらつく雪の結晶を観察してみるといいかもしれません。
雪の結晶は肉眼でも見られる
世界で初めて人工の雪を作った中谷宇吉郎博士の言葉で、「雪は天から送られた手紙である」というものがあります。その時の温度、湿度などの条件で雪はいろいろな形になります。そのため、降ってきた雪を見れば上空の大気の状態を推察することができるのです。そして、大雪の際には気づきにくいかもしれませんが、雪の結晶は肉眼でも見ることが可能です。
目を凝らしてみれば、降っている雪がそれぞれギザギザのような形をしていることがわかります。黒い手袋をしてそこに降った雪や、上の画像のように黒い物体についた雪を観察すると、比較的見やすいかもしれません。
顕微鏡などで見るには
顕微鏡で見る際は、プレパラートを寒い所に置くなどしてあらかじめ冷やし、紫外線硬化樹脂などで固めると、何度でも観察できるためおすすめです。しかし、実際に雪の結晶をきれいに閉じ込めるのはなかなか難しいため、成功させるためにはやや根気が必要かもしれません。また、紫外線硬化樹脂がない場合は、透明なマニキュア液でも代用できるそうです。
結晶観察できそうな日は
湿っていくつもの雪が重なった場合、その結晶は確認しにくくなりますので、多少冷えた日の雪が、観察に向いているといえそうです。
朝晩、氷点下となる今日ぐらいの気温であれば、雪がちらつけば結晶を見ることもできそうです。
上の写真は2月11日午前8時頃の札幌での撮影です。気温は氷点下5度くらいでした。明日朝の最低気温は道南で氷点下3度前後、その他は氷点下5度くらいで、道東の内陸では氷点下13度前後の所もある見込みです。道北や道央などでは、明日にかけて多少雪の降る所があるため、結晶を見ることができるかもしれません。
22日土曜日は、接近する低気圧の影響で湿った雪や雨となる所が多くなります。23日日曜日は全道的に雪で、やや降り方の強まる恐れがあるため、両日とも結晶観察には不向きかもしれません。