共和党の米大統領候補者選挙においてドナルド・トランプが勝利する見込みが現実味を帯びてくるとともに、音楽業界内から多数の反発があがっているなか、彼を称賛する声も幾つかある。キッスのジーン・シモンズは、同氏を支持はしていないもののポジティブな印象を持っていると、ローリングストーン誌の最近のインタビューのなかで語っている。
「彼は今まで壇上で見てきた中でも真の政治的アニマルさ」と明言するシモンズは、「彼のスピーチには原稿の作者もいなければ、編集も何もない。本当の“バカ”に徹しているのさ。変えられないね」と話す。
トランプについて“政治組織にとっては良い存在”とすると同時に、彼に政治家としての地位がないことで、ほとんどの政治家が出来ない信念を表すことが出来ているとも指摘。シモンズは「政治的に正しくあることにみんなウンザリしているのさ」と語る。
また、トランプがもし選ばれたらアメリカとメキシコの国境に壁を建設すると繰り返し約束していることにも加勢した。
「マケドニアはギリシャとの間に壁を建設しているし……イスラエルと近隣国との間にも壁がある。過去にはベルリンの壁も万里の長城もあった。人々にとって良いか悪いかは別として、壁は実際に作用するんだ。冷酷ではあるけど、実用的な見地からみると現に効果がある……。ローマ教皇も壁は無情なものと言っているが、面白いことにバチカンには壁がある。彼らはバチカンに外の人間を入れたくないのさ」
なお、バラク・オバマに投票した事に後悔しているというシモンズは、トランプを必ずしも支持しているわけではないことを強調しており、同候補者の発言が“不道徳で薄情”だと指摘している。しかし、シモンズはこれまでのトランプのキャンペーンで信頼できる一面に影響されているようにも見受けられる。