メイン画像
メイン画像
この記事の写真をすべて見る

気象庁は12日、エルニーニョ監視速報を発表しました。エルニーニョ現象は続いているとみられます。今後も、夏にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高くなっています。

1月の実況

1 月のエルニーニョ監視海域の海面水温は基準値より高い値で基準値との差は+0.7℃でした。なお、エルニーニョ現象発生の判断に使用している5 か月移動平均値の11 月の値は+0.8℃でした。太平洋赤道域の海面水温はほぼ全域で平年より高く、海洋表層の水温もほぼ全域で平年より高くなりました。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より活発で、中部の大気下層の東風(貿易風)は月後半に平年より弱くなりました。このような海洋と大気の状態から、エルニーニョ現象が続いているとみられます。

今後の見通し

現在の太平洋赤道域では、東部の海面水温が平年より高い状態が弱まりつつある一方、貿易風も弱まり始めています。今後、貿易風の弱まりにより、海洋表層の暖水が東進し、東部の海面水温が平年より高い状態を維持するように働くと考えられます。なお、エルニーニョ予測モデルは、今後夏にかけてエルニーニョ監視海域の海面水温が基準値より高い値で推移すると予測しています。以上のことから、夏にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高いです(70 %)。

西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況

1 月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より低い値でした。今後夏にかけては基準値より低い値か基準値に近い値で推移すると予測されます。また、1 月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値でした。今後夏にかけては基準値に近い値か基準値より高い値で推移すると予測されます。

1月の日本や世界の天候への影響

国内、国外ともに、エルニーニョ現象時の特徴は明瞭には見られませんでした。

エルニーニョ時の日本の特徴

エルニーニョ現象発生時の日本の春は、平均気温が、沖縄・奄美地方で高く、東日本では並みか高い傾向。日照時間は、西日本太平洋側で少ない傾向です。夏は、平均気温が、西日本で低く、北日本で並みか低い傾向。降水量は西日本日本海側で多い傾向です。