政府による普天間基地の辺野古移設が議論されている昨今、引き返せなくなる今だからもう一度見直すべき作品として2008年に製作された是枝裕和監督作品『大丈夫であるように~Cocco終らない旅~』の全国上映が決定した。
Coccoのドキュメンタリー映画でもある今作は、Coccoのデビュー10周年全国ツアーを追い掛けながら、故郷・沖縄の米軍基地移設予定地に現れたジュゴンのために作られた曲、阪神・淡路大震災の慰霊と復興のモニュメント、核燃料再処理工場のある青森県六ケ所村に住むファンからの手紙、普天間基地移設予定地である辺野古(沖縄と米国の境界を示す有刺鉄線)などにフォーカスし、様々な現実と純粋すぎる心で対峙するCoccoの言動を収めた作品となっている。
今回の全国上映による経費を除く収益は辺野古基金に寄付さるそうなので、ぜひこの機会に劇場で鑑賞してほしい。
◎是枝裕和監督よりメッセージ
辺野古が直面している問題は、珊瑚がどうなるのか?
ジュゴンがどうなるのか?
沖縄がどうなるのか? ということにとどまらない。
私たちがどうなるのか? が今問われている。
沖縄が蹂躙されている、今この時に、自分に何ができるのだろうか?
そう考えて、『大丈夫であるように』を再上映して頂く運びとなりました。
◎公開劇場
公開中~08/14(金)大阪:第七藝術劇場
08月08日(土)~08月14日(金)松山:シネマルナティック
08月09日(日)クロスパルにいがた ※ホール上映主催:コミュニティシネマにいがた、安吾の会協力:シネ・ウインド連絡先:田村(シネ・ウインド TEL025-243-5530)
08月15日(土)~08月21日(金)名古屋シネマテーク
08月29日(土)~ 渋谷:ユーロスペース
09月05日(土)~09月11日(金)神戸アートビレッジセンター
09月12日(土)~09月18日(金)金沢:シネモンド
09月26日(土)~10月02日(金)京都シネマ
◎「辺野古基金」とは
辺野古基金は、新基地建設反対の世論を広げるための活動を物心両面から支援しようというもので、新基地設立に反対する地元経済界や議員、県外の文化人らによって、4月9日に設立された。集まった寄付は、新基地の反対を訴えるパンフレットの作成に使われるほか、全国紙やアメリカの新聞に辺野古反対を訴える意見広告を掲載することに使われる。
共同代表には、地元政財界人の他、故菅原文太夫人の文子さんや、宮崎駿さん、鳥越俊太郎さんらも名を連ねた。
◎『大丈夫であるように~Cocco終らない旅』作品紹介
2007年11月21日、Coccoのデビュー10周年の全国ツアーが名古屋から始まった。11月25日、新宿で写文集『想い事。』発売記念ミニライブを開催する。そこでも歌った『ジュゴンの見える丘』は、故郷・沖縄の米軍基地移設予定地に現れたジュゴンのために作られた曲だ。会場の観客が短冊を書き、Coccoはそれを沖縄に持って行くと約束する。12月3日、神戸でのライヴの前に、Coccoは阪神・淡路大震災の慰霊と復興のモニュメントへ赴く。そして、そこで生まれた曲に『バイバイパンプキンパイ』と名付ける。12月5日、大阪でのライヴを終えた彼女は青森へ向かう。きっかけは、核燃料再処理工場のある青森県六ケ所村に住むファンからの手紙だった。12月12日、会場には手紙を送った少女もいた。次の目的地は沖縄。ツアースタッフは、ひめゆりの塔や平和の礎に花を捧げる。12月25日、Coccoは家族たちとともにクリスマスを過ごす。12月26日、ライヴのステージにはみんなの想いが綴られた短冊が飾られた。また、ひめゆり部隊の思い出の歌『お菓子と娘』や、沖縄民謡も披露した。Coccoには、沖縄芝居の伝説的役者だった祖父・真喜志康忠の血が受け継がれている。12月27日、宜野湾市のステージで、父がプロポーズのときに母に贈った歌を歌う。続いて普天間基地移設予定地である辺野古へ向かい、沖縄と米国の境界を示す有刺鉄線に短冊を結んでいく。