『タイタニック』や『アバター』をはじめ、多くの映画音楽を手掛けてきた名作曲家ジェームズ・ホーナーは、先月、飛行機事故により亡くなっているが、生前にいくつかの新しい作品を仕上げていたようだ。7月24日に全米で公開されるジェイク・ジレンホール主演のボクシング映画『サウスポー(原題)/Southpaw』がその遺作のひとつだ。

 同映画の最後には、ホーナーを称え“ジェームズ・ホーナーの思い出とともに”と書かれたカードが掲げられている。

 『サウスポー』のアントワーン・フークア監督はホーナーが亡くなった直後、「彼はレジェンドであり、芸術家であり、素晴らしい友人だった……彼との仕事はまさに魔法のようで、一緒に作品を作る機会を得られたのは本当に恵まれたことだったと感じている」と語っていた。

 なお、ホーナーは『サウスポー』に加え、チリの炭坑作業員たちを描いた映画『The 33』(11月全米公開予定)の音楽も手掛けていたほか、フークアの次作品『荒野の七人(The Magnificent Seven)』リメーク版の音楽も秘密裏に完成させていたそうだ。同監督が米ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)に明かしている。

 また、フークアはNPRに対し、『サウスポー』をいたく気に入ったホーナーは無償で音楽を手掛けてくれたとも話す。「映画を観た彼がある土曜に電話をくれたんだ。私が“大きい予算の映画じゃないからあまりお金がないんだ”と言うと、彼は“この映画を気に入ったよ。父と娘の関係が素晴らしい。お金の事は心配しないでくれ、引き受けるつもりさ”ってね。タダでやってくれたんだ。しかも彼のクルーには自分のポケットマネーを支払ってね」

 同記事はTHR.comに掲載されていた。