ハクくん(提供)
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 ペットはもはや大事な家族。読者とペットの愛おしい日常のひとコマをお届けします。今回の主役は、犬のハクくんです。

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 僕の名前はハク(雄、6歳)。今の飼い主とはペットショップで出会った。

 僕は売れ残りだった。なぜなら僕には「常同障害」がある。同じ行動を執拗(しつよう)にくりかえす病気で、僕は自分のしっぽを追ってグルグル回ってしまう。

 売るために、ペットショップは僕を破格の1万円にしていた。

 飼い主と目が合った。どうか僕をここから連れ出して!! 飼い主はなぜこの値段なのかを店員に聞いた。「少し大きくなってしまったので……」

 飼い主は僕を抱っこしてくれた。ちょうど白いチワワがほしいと思っていたと言って、一度帰宅し、先住犬のロンという茶色のチワワを連れてきた。僕はグルグル回ったら買ってもらえないと思い、おとなしいチワワを演じた。ロンも僕を気に入ってくれ、僕はこの家族の一員となることができた。

 店員は、僕の病気のことは飼い主にひとことも言わなかったが、飼い主は僕の異変に半日で気付いた。ケージの中で突然うなってグルグル回ってしっぽを噛(か)みちぎりそうになり、しっぽが血だらけになった。ロンはビックリして寄ってこなくなった。常同行動は突然起こるので、制御不能なのだ。

ハクくん(提供)
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 僕をペットショップに返すかどうか家族会議が開かれた。僕はビクビクしながら話を聞いていた。

 飼い主は、返したらこの子は殺処分されてしまうと言って、僕を治療できる病院を探してくれた。そして病院でさまざまなお薬やアドバイスをもらってくれた。ドッグトレーナーも付けてくれた。僕は一生懸命、頑張った。

 今、この家の家族となり6年が過ぎた。

 相変わらずグルグル回ることもあるけど、回数はかなり減った。(千葉市稲毛区/60歳/保育士)

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週刊朝日  2023年3月10日号