ハロウィーンの夜、JR渋谷駅前のスクランブル交差点で交通誘導する警察官=2022年10月31日午後9時
ハロウィーンの夜、JR渋谷駅前のスクランブル交差点で交通誘導する警察官=2022年10月31日午後9時
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 150人以上が圧死した韓国ソウル・梨泰院(イテウォン)の大事故。狭い路地に人が殺到し、次々と覆いかぶさるように転倒する「群衆雪崩」が起きたと見られている。日本でもイベントなどで多くの人が集まる場所はある。さらには、満員電車といった日常的に人が密集する状況もある。今回の梨泰院と同じような事故が起きるリスクはないのか。専門家に聞いた。

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 10月31日、東京・渋谷にはハロウィーンを楽しむ多くの人が集まっていた。梨泰院の事故後だけにメディアも注目し、スクランブル交差点やセンター街の「群衆」の様子などをテレビやネットなどで流したり、発信したりしていた。

 しかし、そうした不安はよそに、大きな事故が報じられることはなかった。

 毎年、人であふれかえる渋谷のハロウィーンだが、梨泰院と同じような事故が起こる可能性はあるのだろうか。

 群衆事故に詳しい大阪工業大の吉村英祐特任教授は「安全とは言わないが、群衆雪崩が起きるような状況ではない」と見る。

 渋谷といえば、その名の通り谷にある街で、渋谷駅は谷底に位置している。坂道も多く、「スペイン坂」の狭い場所などは、梨泰院を想起させる。

 吉村特任教授はこう説明する。

「渋谷のハロウィーンでは、警察がかなり厳重に警備計画を立てており、事故を防げています。また、渋谷の映像を見る限り、人は多いですが、『群衆雪崩』が起きるほどの多さではない。まだ余裕があるように見えます。スペイン坂も、梨泰院と比べたら道幅が広く、横に逃げ道もある。スクランブル交差点もいざとなれば、車道に逃れることができます」

 まだ余裕があったとしても、突如としてリスクが高まるケースもあるようだ。関西大の川口寿裕教授(群集安全学)はこう指摘する。

「突然、火事が起こったり、刃物を持った不審者が表れたりするなどして、多くの人がパニックになって走り出すようなことが起きると、群衆事故につながる危険性があります」

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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満員電車でもリスクあり?