「自民党の人材不足は壊滅的な状況です。ポスト岸田がいないから、岸田首相は延命していると言っても過言ではない。河野氏は期待値は高いのですが、スタンドプレーや根回し不足が目立つ。自民党内で一緒に食事に行く人も少なく、人付き合いも良くないので、『どんな人かわからない』という党内の声がいまだに多い。この先、総理総裁を狙うのであれば、党内の根回しにもエネルギーを使わないとダメでしょう」

　たとえ岸田政権が延命したとしても、2年後の24年には自民党総裁選が行われる。

「昨年9月の総裁選では、河野氏が属する麻生派の支持が割れました。派閥の重鎮たちは岸田氏の支持にまわり、若手は河野氏を支持した。次の総裁選で、もし河野氏が名乗りを上げたとしても、派閥の領袖（りょうしゅう）である麻生太郎氏が河野氏をどう評価するかはなお未知数です。自民党ではデジタルに明るい政治家が総裁になったことはないので、もし総裁になれば画期的です。デジタルを政治に活用して、投票に行かない若い人たちに関心を持ってもらうことには期待が持てます」（角谷氏）

　得意のデジタル分野で、持ち前の“突破力”を発揮できるか。大臣としての資質が問われている。（AERA dot.編集部・上田耕司）

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