「本来ハートが熱く、チームメイト思いの良い奴。日本に対する愛情も深く、国歌斉唱時に心を込めて歌うのは日常茶飯事となっていた。ドイツ戦でも逆転後『あとは守るだけっすね』と感情を露わに発言していた。いつもは意識的に冷静を装っているが、本当の本田圭佑が出ていました」(欧州在住サッカーライター)
ドーハの悲劇の地で強豪ドイツに勝ったことで、代表チームは国民のハートを鷲掴みにした。同時に本田の人間性が中継を通じて伝わってきたことが話題になった。「冷酷」「クール」というイメージも多かったはずだが、「感情豊かな男」と印象が覆された人も数多いはずだ。
「画面に映り込んでいない局面まで、視聴者にわかりやすいように解説していた。昔から理路整然と筋道を立て相手に伝わりやすく話すことに長けていた。ハーフタイムのロッカーでは試合展開によって感情的になりやすい。しかし(本田は)常に冷静沈着、後半に向けて戦術を徹底させるように話している姿を見かけた。今考えると当時から解説者、批評家のようだった」(日本サッカー協会関係者)
感情的な姿とともに、試合の解説では理論派として分析力の高さも発揮。ABEMA中継を通じて異なった2面性が伝わってきたことで、改めて本田の魅力が広がり始めている。
「(SNSで)2010年南アフリカ大会前に流行った『本田△』をいくつか見かけた。12年前に流行ったワードが蘇ったのは、本田の注目度が高くなっている証拠。大会前は過去の人扱いもあったが、再び注目度の面で復活を見せている。本田自身の今後のビジネスにも追い風になるはず」(サッカー雑誌編集者)
『本田△』とは、当時のエースだった本田を讃えた「本田さんかっこいい」が「本田さんかっけー」、「本田三角形」、「本田△」と派生したもの。ドイツ戦の歴史的勝利を盛り上げた解説者・本田が、幅広く視聴者に受け入れられ、かつて流行った言葉が再び脚光を浴びた。
「日本代表戦はオワコン扱いされ、W杯予選は放映権も絡み地上波放送も行われないほど。ABEMAが今大会の全試合無料放送を発表した際には、ネガティブな見方もあったが風向きは明らかに変わった。日本戦のみならず、サウジアラビアが優勝候補アルゼンチンを撃破した試合も大きな話題になった。今後も同様のケースが考えられる」(在京テレビ局スポーツ担当者)