大塚 愛 魔法使いになって音楽の未来に光射す「さくらんぼ」連発も
大塚 愛 魔法使いになって音楽の未来に光射す「さくらんぼ」連発も

 最新アルバム『LOVE FANTASTIC』を引っ提げ、約5年ぶりの全国ツアーであり、自身2度目となるライブハウスツアー【大塚 愛 LOVE FANTASTIC TOUR 2014 ~おぉーつかあいはまほぉーつかぁい~】を開催した大塚 愛。その全公演を8月30日に終えた。

大塚 愛 キュートなライブ写真一覧

<大塚 愛が魔法使いに メンバーはファミコンキャラに!?>

 今回のツアーは、開演前の会場にて観客の心音(心臓の鼓動音)レコーディングを敢行。ロビーに並ぶ機材で心音をヘッドホンで聴きながら録音してもらうのだが、この音は大塚 愛が「スマート光ハートビートプロジェクト」の一環として制作する楽曲(http://bit.ly/1tnjor8)に使用される。そうして我々が生きてる実感を味わっていると、ステージ上のシースルーの幕には、山口寛雄(b)、沼澤尚(dr)、皆川真人(key)、西川進(g)、磯貝サイモン(cho,g,key)といった超豪華ミュージシャンたちがファミコン仕様のキャラクターとなって登場、その向こう側で実際のメンバーが演奏を始める。そして大塚 愛が登場すると、彼女はその手元から色鮮やかな光を放ち、ツアータイトル通り魔法使いとして客席を扇情。現実と幻想の狭間で「アクション10.5」を歌い始めた。

<音楽の未来にまだまだ光は射すと期待させる光景>

 鉄壁の演奏陣、攻め過ぎなセットリスト、予定調和なしのライブアレンジ、文字通り魔法だらけの演出、お調子乗りのファンに対する「ポロリするかボケ」というツッコミ、終始楽しげな大塚 愛と、史上最もサディスティック&ファンタスティックなアクトを一貫。今の日本のポップスシーンにおいては「マニアック過ぎるのでは?」と危惧するアプローチも惜しみなく繰り広げるのだが、それを観客が全力で楽しめちゃっている光景は、音楽の未来にまだまだ光は射すと期待させるのに十分だった。まさしくファンタスティック。

<「ヒカリ」ピアノ弾き語り“いつだって 笑っててよう”>

 鳴り止まない「もう1回!」コールに応えて再登場した彼女は、ピアノの前に腰掛ける。そして「すべての人にいつも朝がやってきて、昼がやってきて、夜がやってきて……っていう繰り返しなんだけど、時も止まってしまうような苦しみや悲しみや……でもそれをまた朝が来て昼が来てってことを繰り返しながら、私たちはずーっと光を見つめていくのかなと思い、作った曲です」と、東日本大震災後に制作した「ヒカリ」を弾き語り、声を震わせながら「いつだって 笑っててよう」と何度も歌い上げて涙を誘う。

<観客を完全燃焼させる大サービス「さくらんぼ」2連発>

 そして最後は満を持しての「さくらんぼ」へ。しかもバンドメンバー一同並んで最後の挨拶をすると見せかけて“もう1回”ぶっ放すという「さくらんぼ」2連発でもって、集まった観客をちゃんと完全燃焼させる大サービスぶり。相変わらず最後まで振りきりの見事なライブを堪能させてくれた。なお、大塚 愛は、9月に毎年恒例のバースデーライブ【LOVE IS BORN】をビルボードライブにて開催する。これまた未だかつてない印象の公演になること必至なので、ぜひ注目してほしい。

取材&テキスト(8/23Zepp Tokyo公演):平賀哲雄
撮影:田中聖太郎

◎ライブ【大塚 愛 LOVE FANTASTIC TOUR 2014 ~おぉーつかあいはまほぉーつかぁい~】SET LIST:
01.アクション10.5
02.9
03.フフフ
04.5:09a.m.ートニックー
05.CHU×CHU
06.CHU-LIP ー蜂蜜酒ー
07.PEACH ーウォッカー
08.Is
09.マワリ廻るマワレバ回ろ
10.羽ありたまごーエスプレッソー
11.ライライ
12.Re:NAME
13.甘えんぼーレモンティー
14.Hello, me
15.LUCKY☆STAR
16.モアモア
17.ゾッ婚ディション
18.LOVE FANTASTIC
En1.ヒカリ
En2.ごめんね。
En3.I ■ ×××(■=ハートマーク)
En4.未来タクシー
En5.さくらんぼ