6日(火)台風13号「マーロウ」が発生。速度を速めながら、7日(水)朝には九州の南海上に進み、8日(木)には関東へかなり接近し、上陸することも考えられます。また、台風北側に前線もあり、大雨に警戒が必要なパターンです。

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台風発生から接近まで かなり短い

8月以降、台風の上陸が続いていますが、また、新たに6日(火)午前9時、宮古島の北で台風13号「マーロウ」が発生しました。今回は発生場所が日本に近い場所であり、なおかつ速度を上げて進むことから、「台風発生から接近までがかなり短い」ため警戒が必要です。事前の台風対策は早め早めが必要ですが、6日(火)夜から7日(水)にかけては、台風が離れている地域でも大雨の恐れがあります。
【台風進路】
6日(火)午後6時現在、那覇市の北約180キロの海上を時速35キロで北東へ進んでいます。7日(水)午前6時には、鹿児島県屋久島の東南東へ、7日(水)午後6時には高知県室戸岬の南を時速35キロで北東へ進む見込みです。8日(木)午後3時には千葉県の館山市付近を時速35キロで北東へ進む予想となっています。九州から関東にかなり接近する見通しで、上陸することも考えられます。

台風から離れていても大雨警戒

7日(水)朝の予想天気図を見ると、台風の北側に前線が停滞しています。台風は反時計周りに風が吹き込んでいますが、台風周辺の暖かく湿った空気が、ちょうど前線に向かって流れ込みやすい天気図のパターンとなります。このため、前線近傍では湿った風と風がぶつかりあって収束するため、積乱雲が発達しやすくなります。台風が離れた地域でも大雨に警戒が必要なパターンです。
すでに6日(火)夕方には、台風から離れた西日本の太平洋側で局地的に非常に激しい雨が降っていて、大阪府の生駒山や、和歌山県の有田川町清水で1時間に50ミリ以上の滝のような雨が降りました。7日(水)は、6日(火)よりも広い範囲で、非常に激しい雨が降る恐れがあります。関東甲信地方でも7日にかけて1時間に40ミリの激しい雨が降る所があり、都市部でも大雨の恐れがあります。低い土地の浸水や土砂災害、河川の増水などに厳重な警戒が必要です。

天気図としては「東海豪雨」パターンか

2000年(平成12年)9月11日~12日にかけて、愛知県西部から三重県北中部にかけて局地的豪雨となり、名古屋市では1時間97ミリ、東海市で114ミリもの猛烈な雨が降り、記録的な大雨となりました。都市部で大規模な浸水害が起こったり堤防が決壊するなど、甚大な災害をもたらし、「東海豪雨」と言われています。2日間の総降水量は名古屋で567ミリ、東海市で589ミリと、1年間に降る平年の降水量の3分の1を超えました。また、南知多町や美浜町及び名古屋市緑区では竜巻が発生しています。
この「東海豪雨」の時の天気図の気圧配置は、同じように本州付近に前線が停滞していて、九州の南に動きの遅い台風がありました。7日(水)9時の天気図は、その時の気圧配置に似ていて、台風から離れた地域でも大雨や突風など荒れた天気となる恐れがあります。ただ、今回は台風の動きは早く、同じ場所で長く大雨が続いた最悪のパターンは免れられる可能性があるとみられます。