揚げ物を食べる機会がどうしても増えてしまう(photo ロイターアフロ)
揚げ物を食べる機会がどうしても増えてしまう(photo ロイターアフロ)
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 年の初めに毎年、「今年こそダイエット」と心に誓う人は多いはず。やせるには、食事で摂取するエネルギー量より、日常生活や運動で消費されるエネルギー量が多くなればいい。頭ではそうわかっていても、なかなかできないのが人の世の常。本当に「今年こそ」と思うなら、まずは「脂肪燃焼の仕組み」と「効果的なトレーニングの進め方」を頭にたたき込んでおきたい。

【図版】運動量と脂肪燃焼の関係はこちら

 そうするだけで「食べすぎ」「飲みすぎ」の抑止力になるし、今日から日々のルーティンにトレーニングを組み込んでおけば、年末年始に食べたり飲んだりしてついた脂肪をすぐに燃焼させることができる。ここから先を読むか読まないかが、これからのダイエットの成否を分けると言っていい(本当です)。現役臨床医が監修した『トレーニング・ダイエットの前に 今さら聞けない人体の超基本』に基づいて、解説したい。

 まずは、脂肪燃焼の仕組みから。脂肪燃焼とは、体内についた中性脂肪が分解された遊離脂肪酸が、運動のエネルギーとして消費されること。こんなふうに進む。

[脳下垂体からホルモン分泌]
運動を始めると、脳下垂体からアドレナリンやノルアドレナリンといったホルモンが分泌される
 ↓
[脂肪分解スタート]
分泌されたホルモンの作用で、リパーゼという酵素が活性化し、脂肪分解を開始する
 ↓
[再び体内に蓄積される]
分解されたグリセロールは血液に溶けて運ばれ、再び肝臓で脂肪として蓄えられる

 ↓
[運動のエネルギー源になる]
分解された遊離脂肪酸は血液に溶けて体内に運ばれ、エネルギーとなる

 運動を開始した直後の身体はまず、糖質を使ってエネルギーをつくる。使う糖質がなくなってくると、脂肪を分解してエネルギーをつくり始める。糖質より脂肪の供給量が多くなる時間は、運動開始から20分後。つまり、トレーニングを20分以内に終えてしまうと、脂肪は燃焼しないということだ。

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無酸素運動と有酸素運動のエネルギー源