ファミコンなどのテレビゲーム機や、低価格のワープロを使ったホームバンキングなどのサービスも登場(1989年)
ファミコンなどのテレビゲーム機や、低価格のワープロを使ったホームバンキングなどのサービスも登場(1989年)

 ソフトのヒットにより、ファミコンの販売台数も続々と伸び、86年度だけで390万台を販売する。また、85年10月には、海外版ファミコンである「ニンテンドー・エンターテインメント・システム(NES)」がアメリカで発売。『スーパーマリオブラザーズ』も同時発売し、アメリカ国内だけで累計3400万台売り上げた。全世界の売上は6191万台で、“初代チャンピオン”ともいえるAtari 2600の倍以上の販売台数となったのだ。

国内ではRPGも大ヒットに

 国内に目を戻そう。

 ファミコンでヒットになったゲームタイトルは「スーパーマリオブラザーズ」だけではない。スクウェア・エニックスの「ドラゴンクエスト」や、「ファイナルファンタジー(FF)」など、国民的RPGもファミコンから誕生している。

「スーパーマリオブラザーズ」と並んで国内で社会現象になったソフトが、88年2月発売の「ドラゴンクエストIII(ドラクエIII)」だ。国内で約380万本販売し、ファミコン版の「ドラクエ」シリーズでは最も売り上げた作品となっている。

「ドラクエ」シリーズは1986年5月発売の「ドラゴンクエスト」も約150万本、翌87年1月発売の「ドラゴンクエストII」も約241万本を販売しており、それまで「マリオ」に代表されるアクションゲームブームだけでなく、RPGブームもファミコンに巻き起こしている。

 1988年2月の「ドラクエIII」で日本がRPGブームに湧き上がる一方、10月には任天堂から「スーパーマリオブラザーズ3(マリオ3)」が発売し、国内約384万本、全世界で約1728万本を売り上げるヒットとなった。

 当時は16ビットのCPUを搭載した次世代ゲーム機として、NECから「PCエンジン」が87年10月発売済みで、また「マリオ3」が発売された88年10月にはセガから「メガドライブ」が登場している。発売から5年が経ち、既にファミコンは旧世代のゲーム機となっていたが、次世代のゲーム機を相手にしながらもソフトの売上では圧倒した。これは後のゲーム機の歴史を見ても、ほとんど例がないことだ。

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