BiSのサウンドプロデューサー 松隈ケンタ&悪徳マネージャー兼仕掛人 渡辺淳之介が手掛ける妄想シンガー 蜜矢。北上チャリンコツアーを敢行していたが、5月31日 中野heavy sick ZEROにてゴールを迎えた。
<蜜矢とは?>
蜜矢は“人間の本音”を歌うシンガーで、4月30日発売のミニアルバム『いけないmagic』にてつばさレコーズよりデビュー。同作のリード曲「Super life」のミュージックビデオ(http://bit.ly/1iyZdjc)は、山の手線の電車内~渋谷スクランブル交差点のど真ん中で「Super life」を歌う蜜矢の姿が、楽曲のピュアネスと相まって涙を誘う問題作だ。そんな蜜矢がマネージャーの指令で、路上ライブで売ったCDの売り上げのみで生活する、過酷な北上チャリンコツアーを開始。途中、27時間路上ライブ等も交えながら、約1か月をかけ東京へと辿り着いた。
<渋谷スクランブル交差点の中心で決死の路上ライブ敢行>
ツアー最終日の前日、30日深夜には渋谷スクランブル交差点の中心へ歩を進め、信号が赤になっても、車にクラクションを鳴らされても、警察に止められても「Super life」を弾き語り続けるという、決死の路上ライブを敢行。前述のMVを生再現したその模様はツイキャスで配信され、コムアイ(水曜日のカンパネラ)やユケ(モルヒネ東京/ex.BiS)が思わず応援に駆けつけるほど、観る者、聴く者をエキサイティングさせた。また、興奮冷めやらぬ蜜矢は、この日の深夜にもつばさレコーズ前で仮面を外して「Super life」熱唱。翌日のワンマンライブに向けて気合いを入れた。
<渡辺マネージャーに直談判してライブを延長 泣きながらの熱唱>
ワンマンの会場 中野heavy sick ZEROは、BiS先輩が代表曲「nerve」3連発などで伝説を残した(http://bit.ly/1mI7jpv)ライブハウスなのだが、蜜矢も負けじと大嫌いな奴への恨み節「宮澤」を3連発。バンドを従え、アグレッシヴなアクトを繰り広げていく。しかしアンコールを終えても完全燃焼できずにいた彼は、渡辺マネージャーに直談判してライブを延長。27時間路上ライブでは30回連続で歌い、昨夜はスクランブル交差点で命を懸けた「Super life」にすべてを込める。途中、涙で声が出なくなる場面もあったものの、まだ終われないと言わんばかりに「Super life」をもう一度歌い出すと、逆に観客の涙を誘った。
<ワンマン終演後の楽屋で想定外の展開 もうひとつの延長戦>
こうして感動的にグランドフィナーレを迎えたと思われた北上チャリンコツアーだが、ワンマン終演後の楽屋で想定外の展開が。蜜矢の音楽家としての育ての親でもある松隈ケンタが、すべてを終えてほっとしていた彼に「さらに北へ行け」と指令。最初は動揺を隠せずにいた蜜矢だったが「1週間後だったら……」と現実を受け止め、6月8日より北海道の最北端を目指してチャリンコツアーも延長されることになった。なお、蜜矢は、7月8日 横浜アリーナで開催されるBiS解散ライブを絶対に観たいと公言しており、それまでに戻ってくることができるのか。ぜひ注目してみてほしい。
取材&テキスト:平賀哲雄
撮影:西澤裕郎(渋谷スクランブル交差点ゲリラライブ)
外林健太(中野heavy sick ZEROワンマンライブ)