あんずの花を見たことはありますか?日本気象協会は、日本一のあんずの里の開花予想を発表しました。例年よりも一週間ほど早く春の訪れを感じることができそうです。

春霞のような満開のあんずの花(千曲市観光協会提供)
春霞のような満開のあんずの花(千曲市観光協会提供)
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「開花予想」はサクラだけじゃない!

サクラ開花ラッシュとなった今週。サクラが開花・満開になるのを今か今かと心待ちにしている方も多いはず。
でも、せっかくの春ですから、サクラだけではなく、ほかの花々も楽しんで見ませんか?よりたくさんの春の花を知ることで、長い期間「お花見」を楽しむことができますよ。
さらに、「開花予想」ができるのはサクラだけではありません。花芽の生育過程に影響を与える要素を考慮することで、他の花でも開花を予想することが可能です。日本気象協会では、この独自の計算手法を使って毎年、日本一のあんずの里といわれる長野県千曲市のあんずの花の開花予想を発表しています。

あんずの花と大切な受粉の仕事をしてくれるミツバチ(千曲市観光協会提供)
あんずの花と大切な受粉の仕事をしてくれるミツバチ(千曲市観光協会提供)

真田ゆかりの地で、サクラより早く春を告げるあんずの花

この「あんずの里」は、今話題の真田丸こと真田信幸から数えて三代目にあたる真田幸道に嫁いだ豊姫が、お輿入れの際に故郷(宇和島)を懐かしみ、この土地にあんずを持ち込んだのが始まりと言われています。今では、千曲市では「サクラよりも一足早くあんずが春の訪れを告げる」と言われ、大切にされている花です。
見ごろは例年4月上旬~中旬にかけてで、里山一面が薄紅色に染まるようすは圧巻です。特に、高台にある「上平展望台」から見下ろす景色は、一目で十万本のあんずの木を眺めることができることから「一目十万本」と言われ、まるで春霞の中にいるような絶景です。この景色を一目見ようと、毎年多くの花見客がこの地を訪れています。

残雪の山とあんずの里(千曲市観光協会提供)
残雪の山とあんずの里(千曲市観光協会提供)

発表!あんずの開花予想

それでは、あんずの里の開花予想をお伝えします。
3月は、平年よりもあたたかい日が多く、最高気温が10℃以上高くなる日もありました。そのため花芽の生育は順調で、つぼみは開花直前まで膨らんでいます。きょうは雪の降る寒い一日となっていますが、この寒さが解消すれば、一気に開花となりそうです。

3月25日のあんずの里のようす(千曲市観光協会提供)
3月25日のあんずの里のようす(千曲市観光協会提供)

きょうあすで寒さはひと段落し、来週半ばから気温が上がって4月上旬頃の陽気となるでしょう。春らしさが戻り、3月31日に開花を迎えそうです。これは、平年(4月7日)より7日早く、昨年(4月1日)よりも1日早い予想です。なお周辺の長野市におけるサクラの開花予想日は、例年よりも7日早い4月6日となっており、今年は厳しい冷え込みが少なかった分、長野県北部では全体的に、例年より1週間ほど早く花々を楽しむことができそうです。
開花予想日の翌日4月1日から4月17日までは「あんずまつり」が開催されます。あんずの里は山の斜面になっているため、平地から山際まで順番に開花していきます。そのため、例年ですと2週間ほど花を楽しむことができます。ぜひ、4月のお花見計画に加えてみてはいかがでしょうか。

この先の千曲市の天気予報(3月25日16時発表)
この先の千曲市の天気予報(3月25日16時発表)