米大統領選における民主党の候補者争いが激化するなか、若手有力候補として見られていたブティジェッジ氏が撤退を表明した。候補者選びに揺れる米国を取材した。
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毎朝メールを開くと、民主党候補者からの「寄付お願い」メールが数十通もずらりと並ぶ。
「バッドニュース。昨日は目標額に達しませんでした」「今日のテレビ討論会を乗り切るために5ドルの寄付を」「土曜日までにあなたの寄付で変化を起こして!」
3月1日、米大統領選に向けた民主党の候補者選びで、ピート・ブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長(38)が選挙戦からの撤退を表明した。3月3日にテキサス、カリフォルニアなど代議員数が多い州を含む14州で一斉に予備選が行われる「スーパーチューズデー」を目前にした有力候補の撤退に、衝撃が走った。
直前の2月29日、南部サウスカロライナ州の予備選でブティジェッジ氏は4番手と伸び悩んだ。大勝したのは、ジョー・バイデン前副大統領(77)。ブティジェッジ氏の撤退には、「中道派」が一つにまとまらなくては、本選でトランプ大統領に勝てない、という民主党内の焦りがある。
バイデン氏はホースレースである予備選挙の第1弾、アイオワ州党員集会で4位でスタートしたが、尻上がりに勢いをつけている。サウスカロライナ州での支持率は、32.8%と、2位のサンダース氏(21.0%)を大きく引き離し、黒人有権者からの引きが強い(政治ニュースサイト、リアルクリアポリティクス調べ)。元上院議員、そしてオバマ政権の副大統領としての経験、実績だけでなく、柔軟性、人間性に定評がある。
中西部ミネソタ州在住の支持者はこう話す。
「主要候補者の集会にすべて行ったが、トランプを破り、大統領になれる可能性が最も高いという意味で、バイデンを支持せざるを得ない。とにかくトランプを倒すことが重要だ。ただ、集会で原稿を読むなど、高齢による衰えは心配だ」