人生100年時代、お金の悩みは絶えない。国や自治体に届け出することで得られるお金だけではなく、積極的に見落としがちな家計の固定費も見直したい。AERA 2019年12月16日号では、お金のプロが3つの固定費カットを提案する。
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届け出でお金をもらうほかにも、家計を見直すことで相乗効果が出てくる。
「教育費など数百万単位のお金を短期間でためたいと思ったら、固定費を見直しましょう。1年で100万円の捻出も不可能ではありません」
そう語るのは、家計の見直し相談センター代表でFPの藤川太さん。藤川さんが注目する固定費は通信費、光熱費、自動車代の三つ。まず、通信費は大手通信3社から「格安SIM」と呼ばれる月額料金の安い通信事業者に乗り換えれば、大幅カットが実現できるという。藤川さんが言う。
「私もかつて、大手キャリアと契約していたときは一家4人で月額3万3千円ものスマホ代を支払っていましたが、1人あたりパケット通信料が6GB、60分まで無料通話ができる『格安SIM』に乗り換えたところ、月額1万2千円まで激減しました。年間で25万2千円の節約です」
さらに、電力・ガス自由化で、「エネチェンジ」「価格.COM」など複数の比較サイトから一番安い電力会社に変更したところ、電気代は月3万円台もかかっていたのが2万円を切り、年間約12万円のカットにつながった。
「もっともインパクトが大きいのは自動車です。鉄道など公共交通機関が使える地域に住んでいる人は、教育費がかかる時期は一時的に手放してみる方法もあります」(同)
自動車ローン、駐車場代などの維持費にプラスして、自動車税、車検、民間の自動車保険を含めると年間50万~60万円のコスト削減につながる。
月々の収支のバランスを取りながら、残債は退職金で相殺しないように。(ライター・村田くみ)
※AERA 2019年12月16日号