

ヒップホップ・アクティビストのZeebraさんが「AERA」で連載する「多彩な野菜」をお届けします。1997年のソロデビューからトップとしてシーンを牽引し続け、ジャンルや世代を超えて多くの支持を得ているZeebraさん。旬の野菜を切り口に、友人や家族との交流、音楽作りなど様々なエピソードを語ります。
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最近は日本でも「スーパーフード」なんてもてはやされていますが、初めて食べたのはアメリカでした。向こうでもやっぱり、体にいい食材という扱いですね。この10年ぐらいの間に、アメリカ人の食への意識はすごく変わりました。以前はちゃんとしたレストランに入っても、やっぱりドンッと肉。身長2メートル、体重150キロみたいな人に合わせた量が出てきました。でも今は、少なくともミドルクラス以上の人はかなり食に気を使っていると思います。
ヒップホップの世界でも、有名なラッパーがフレッシュジュースの店を経営していたり、KRS-ONEが来日したときの映像で、控室にあったフライドチキンを見て「見ろ、これがポイズンだ!」って語り出したり。成功したから意識の高い生活をするわけではなくて、「ジャンクなものを食べてるから、いつまでも上へ行けないんだぞ」と。身体にいいものを食べて、さえた頭でちゃんと世の中を見て、考えて生きていこうってことです。ヒップホップで世の中を良くしようっていう考え方が、そんなところにも表れています。
※AERA 2019年5月27日号