■赤ちゃんが動き始めたら
最初は仰向けで寝ているだけの赤ちゃんは、半年もすると寝返りをして動き始めます。そうすると今までになかった「部屋の探索活動」が始まります。床にある物はなんでも口に入れ、コンセントの線を引っ張り、テーブルによじ登り、食器棚を開け、便器の水を触るなどなど。その結果、高いところから落ちて頭を打ったり、異物を飲み込んだり。赤ちゃんがけがをしないように危ないものは手の届かないところに置き、ベビーサークルなどのグッズを駆使するなどしても、大人の予想外の出来事を引き起こすので事故が起きてしまうことがあります。では、よくある事故を例に挙げ、その対処方法と異変のポイントを見てみましょう。
<頭を打った時>
赤ちゃんは頭が重いので、転ぶとよく頭を打ちます。おすわりやつかまり立ちをしていてバランスを崩し後ろにひっくり返る。歩いていてこける。階段から落ちるなど、頭を打つにもいろいろな状況があります。頭を打った場合は打ったところを冷やし、無理をせず48時間は様子を見ます。
・意識障害がある、ぼんやりしている
・呼吸をしていない
・けいれんしている
・嘔吐がある
・顔色が悪い
などの症状がある場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
<溺れた時>
赤ちゃんの水の事故は、その多くは自宅で起きています。赤ちゃんは水深10センチでおぼれますので、赤ちゃんがお風呂に簡単に入れない工夫をし、残し湯をしないようにします。トイレや水槽にも気をつけましょう。すぐに引き上げて呼吸が普通に戻れば様子を見ていてもかまいませんが、
・5分以上水につかっていた
・意識がない
・呼吸をしていない
など異変があればすぐに救急車を呼びましょう。
<誤飲した>
タバコ、ボタン電池、ビー玉、薬品など、飲み込んではいけないものを赤ちゃんが飲み込んでしまうこともあります。飲み込んだものの形、毒性の程度によって対応が変わってきます。異物を飲み込んだと分かったら、救急車を呼ぶか、医師に連絡し対応を仰ぎます。
病気の時も事故やケガの時も、共通して、泣き方がいつもと違う、高熱がある、けいれんしている、呼吸が苦しそうなど、普段と違う様子が見られる場合は、迷わず受診してください。赤ちゃんの異変は、普段の様子とどう違うのか?を見極めることが大切です。だからこそ普段からの赤ちゃんの様子を知っておくことはとても大切なのです。
※AERAオンライン限定記事
◯中田馨
なかた・かおり/1978年生まれ。兵庫県の認可保育園、中田家庭保育所施設長。一般社団法人離乳食インストラクター協会代表理事。保育士目線の離乳食講座受講生は4年で2000人。自身も中3男子、小5女子の子育て中。