

かわいくて、優しくて。手の中に収まるのに、おもちゃらしからぬ本物感もある。日本で1980年代にブームが起きた「シルバニアファミリー」の根強い人気は健在だ。動物たちが作り出す穏やかな世界観は海を渡り、いまや世界中で多くのファンの心を捉えている。
【写真特集】かわいいシルバニアファミリーの世界!(全14枚)
* * *
インスタグラムで「#sylvanian families」を検索すると、ヒットした投稿数は20万以上。写真だけではわからないが、キャプションに目をやると日本語、英語、ロシア語、アラビア語……実にさまざまな国から投稿されていることがわかる。欧米の投稿者がつけるハッシュタグには日本語や韓国語なども混在。シルバニアファミリーを核としたボーダーレスでフラットな世界がネット上で展開されている。
先のみずいろさんも自身のインスタに海外からコメントをもらったり、自身もフォローしコメントを残したりするという。
「チリの方から問い合わせが入ったこともあります。英語はあまり得意でないので、グーグル翻訳を使ってどうにか。コメントつけは絵文字多めで(笑)」
こうしたなか国を超えて人気を集める人たちもいる。インスタのフォロワーが約8千人のギリシャ人のSylvanako(シルバナコ)さん(48)はそのひとり。ストーリー性ある、温かな作風で人気だ。
医師で3児の父であるシルバナコさんが、シルバニアファミリーと出合ったのは6年前。2歳だった娘のおもちゃをインターネットで探していたときだった。シルバナコさんは言う。
「初めて見たとき、動物たちの愛らしさやたくさんの家族がいる多様性、細部までよく作りこまれた建物や調度品に魅了され、創作の可能性を感じました」
娘と遊ぶうちシルバニアの写真を撮るようになり、ネット上のファンフォーラムにも参加。3年前、インスタを始めると新たな世界が広がったという。
「シルバニアおよびその写真に対して、あらゆる国の異なる人たちが同じ愛情を示すことに驚かされます。シルバニアはただのおもちゃではなく、人を結び関係を深めるものだと思います」(シルバナコさん)